e軽減税率、法案審議入り
- 2016.02.17
- 政治/国会
公明新聞:2016年2月17日(水)付
伊藤氏質問、首相がメリット強調
買い物時に痛税感緩和
逆進性対策として有効
消費行動にプラス効果
2017年4月の消費税率10%への引き上げと同時に軽減税率を導入することや法人税改革などを盛り込んだ16年度税制改正関連法案が16日、衆院本会議で審議入りし、公明党の伊藤渉氏が質問に立った。
伊藤氏は消費税率引き上げに伴う低所得者対策に関して、12年6月の民主、自民、公明の3党合意に基づく社会保障と税の一体改革関連法で「給付つき税額控除」「総合合算制度」「複数(軽減)税率」を総合的に検討すると明記された経緯に言及。
政府・与党が検討を重ね、三つの選択肢の中から軽減税率の導入を決めたことについて「3党合意に基づき責任を持って対応していることは明らかだ」と力説し、3党合意の当事者である民主党の議員が「軽減税率は天下の愚策」などと暴論を展開していることに対して「軽減税率を実現するつもりがないのなら、(民主党は)なぜ3党合意を行ったのか」と批判した。
答弁で安倍晋三首相は、軽減税率について、「消費税の負担を直接軽減することにより、買い物の都度、痛税感を緩和できる利点が特に重要と判断し導入を決定した」と強調。その上で、「消費者の消費行動にもプラスの影響があるものと期待できる」との認識を表明した。また、年収に占める飲食料品の割合が高所得者より低所得者の方が高いことから、「(低所得者ほど消費税負担が重くなる)逆進性の緩和の観点からも有効だ」と語った。
一方、法人税改革に関して伊藤氏は、関連法案が国・地方を合わせた法人実効税率を16年度に29.97%、18年度に29.74%へと引き下げるとしていることを踏まえ、経済の好循環に向けた設備投資拡大や賃上げなど、減税に見合う行動を企業に促す必要性を強調。「賃金と最低賃金の引き上げを通じた消費の喚起」に向けて、「賃上げの流れが、雇用の約7割を生み出している中小企業や小規模事業者にも波及するよう、取引価格の適正化などの環境づくりに力を入れるべきだ」と訴えた。
これに対し安倍首相は、下請け企業の取引条件の改善などに「しっかりと取り組んでいく」との考えを示した。