e消費税めぐりブレる共産党
- 2016.02.26
- 情勢/社会
公明新聞:2016年2月26日(金)付
廃止→引下げ→増税反対二転三転、迷走する主張
代わりの財源案も"数字遊び"
2017年4月の消費税率10%への引き上げに反対している共産党。それでは、今の8%のままなら賛成なのでしょうか。以前は消費税そのものの廃止を訴えていたのですが、いつの間にか「税率引き下げ」や「増税中止」へと主張がすり替わっています。
選挙のたびに考えが二転三転するので確かなことは分かりませんが、どうやら「消費税廃止」という当初の公約は撤回したようです。
一方で共産党は、消費税に頼らない「別の道」があるかのように吹聴し、消費税に代わる財源案なるものまで示しています。
しかし、これも極めていい加減。日本経済を引っ張る大企業に増税する一方で、防災・減災にも使われる公共事業費の縮小、国民の命を守る防衛費の削減などを実施するとしていますが、それで幾ら捻出できるのでしょうか。
共産党が示した金額は7兆~20兆円と、その時々で違っていて、全く一貫性がありません。荒唐無稽な"数字遊び"をやめるべきです。
13年度の社会保障給付費は、110.7兆円に上りました。少子高齢化の進展で国の負担分は毎年1兆円規模で増加し続けています。この財源を支える柱の一つが消費税であり、増収分は、すべて年金、医療、介護、子育ての社会保障の充実と安定に充てられます。
例えば、消費税率10%時には無年金者対策が拡充され、年金の受給資格期間が25年から10年に短縮されます。今まで年金を受給できなかった人たちも、保険料を10年間納めていれば、年金が受け取れるようになります。
また、低年金者に月最大5000円を支給する「年金生活者支援給付金」がスタートするのをはじめ、待機児童解消のための保育所整備など、子育て支援も前進します。
共産党の言う通り増税を中止すれば、こうした政策を実施できなくなり、高齢者や子育て世帯に支援の手を差し伸べることができず、福祉の後退、切り捨てに直結するのです。