e軽減税率のみ導入可能

  • 2016.02.26
  • 政治/国会

公明新聞:2016年2月26日(金)付



"給付つき"は非現実的
17年4月からの低所得者対策
衆院財金委で伊藤氏



25日の衆院財務金融委員会で公明党の伊藤渉氏は、2017年4月から消費税率10%への引き上げと同時に導入する低所得者対策について、社会保障と税の一体改革関連法で示された選択肢のうち「現実的に実施可能な制度は軽減税率しかない」と力説し、給付つき税額控除や総合合算制度が選べなかった理由を確認した。

大岡敏孝財務大臣政務官は、(1)消費税負担が直接軽減されず痛税感の緩和を実感できない(2)低所得者層(課税最低限以下)の所得把握や、所得は少ないが金融資産を有する人の扱いをどう考えるか(3)制度の前提となるマイナンバー制度が稼働したばかり(4)これまで確定申告をしなかった人も申請が必要(5)給付つき税額控除を導入済みの米国や英国では給付額の1~2割が過誤や不正受給―の五つの問題点を挙げ、「17年4月に導入することは現実的ではないと判断した」と述べた。

また、伊藤氏は、消費税込みの総額表示が原則義務付けられている値札などでの小売価格表示に関して、「誤認防止措置を施した上で(税別価格を示す)外税表示も可能にした方が事業者や消費者にとって利点がある」と述べ、外税表示を認める特例措置が18年9月末で期限切れとなることから、延長するよう訴えた。大岡政務官は「よく検討したい」と応じた。

さらに伊藤氏は、どの商品が軽減税率の対象になるかの判断に関して、事業者の相談に対応する体制の充実を主張。

これに対し、国税庁の星野次彦次長は、税務署の相談窓口の充実や電話相談に対応するコールセンターの設置、事業者へのリーフレット送付などを実施する方針を示した。

伊藤氏は、軽減税率に対応したレジの導入補助など小売・卸売事業者向け助成制度について「使い勝手の良いものに」と要請。中小企業庁の木村陽一事業環境部長は「詳細は検討中だが、申請などの手続きを簡便に行えるよう、記載事項を簡素化し書面を減らしていきたい」と述べた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ