eコラム「北斗七星」

  • 2016.02.29
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年2月27日(土)付



街行く中国人観光客が手にする高級炊飯器を見るたびに、「日本産米も、もっと売り込めるのでは?」と、つい思う。とはいえ、農林水産物の輸出は相手国のルールに基づくのが原則。中国へのコメ輸出では、指定工場での精米や防虫のためのくん蒸処理などが義務付けられ、ハードルは高い◆欧州連合(EU)や米国向けの水産物や食肉の加工品は、加工施設が「HACCP(ハサップ)」と呼ばれる国際的な衛生管理手法への対応を求められる。これは製造工程を継続的に監視・記録し、製品が出荷されるまでの間、安全性を確認し続ける仕組み。一般的な完成品の抜き取り検査に比べ、格段に信頼度が増す◆成長戦略の柱である"食"の輸出促進に欠かせないHACCP。が、新たな設備投資などにコストが掛かり、中小企業は二の足を踏む面も。この状況を打開しようと、公明党は2013年、HACCP支援法の改正を推進し、融資制度を強化した◆続けて14年には、水産加工施設を対象とした対EU・HACCPの認定を、厚生労働省に加えて水産庁でもできるように。手続きの迅速化で、認定を受ける加工施設は着実に増えている◆昨年の農林水産物の輸出額は7000億円を超え、3年連続で最高額を更新。さらに商機を広げる取り組みを加速したい。(武)

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