e全国県代表協議会 山口代表あいさつ(要旨)
- 2016.02.29
- 情勢/社会
公明新聞:2016年2月28日(日)付
はじめに
「全議員が候補者」との自覚で党勢拡大の先頭に
全国の都道府県の代表、幹事長の皆さん、連日の党勢拡大に向けた全力の戦い、本当にご苦労さまです。ありがとうございます。
本日の全国県代表協議会は、7月の参議院選挙の大勝利へ全議員が決意新たに総決起するための会合です。自公連立政権が再スタートして3年。私どもは経済再生や、社会保障の充実・安定化に全力で取り組んできました。外交面でも中国、韓国との関係改善が前進。厳しさの増す安全保障環境に対応する新しい制度を憲法の枠内で整備すると同時に、対話と交流による平和外交も進めてきました。こうした取り組みを決して後戻りさせてはなりません。今回の参院選は、与党が過半数の議席を得て、安定政権の下、この流れを確かなものとし、課題解決を着実に進めていけるかどうかが問われる選挙です。
公明党は、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡の7選挙区で7人の候補者を公認しました。過去最多の7選挙区で候補を擁立し、かつてない攻めの戦いに挑みます。選挙区の7人全員当選とともに、比例区の戦いでも6人以上の当選を断じて勝ち取ってまいりたい。本日より、「全議員が候補者」との自覚と責任で党勢拡大の先頭に立ち、歴史的な大勝利をつかみ取ろうではありませんか。
東日本大震災から5年
心の復興、人間の復興へ 被災者に寄り添い続ける
さて、来る3月11日、東日本大震災の発災から丸5年を迎えます。この5年間、公明党は被災3県に国会議員や地方議員が入り、被災地との連携を強め、被災者の声を国政に届け、未曽有の大災害からの復興を力強くリードしてきました。
被災地では、立党精神に根差した公明党の現場主義が光っています。例えば宮城県本部では、5回にわたって仮設住宅入居者へのアンケートを実施。お風呂の追いだき機能の設置など住環境の改善を進めてきました。また、全国で地方議員同士が連携し、宮城、岩手両県のがれき処理を進めたほか、福島県本部と都議会公明党が力を合わせて、福島県への旅行費用の一部を東京都が助成する「被災地応援ツアー」なども実現しました。
被災地に響く復興の槌音とともにインフラや住宅の整備は着実に進んでいますが、今なお17万4000人もの方々が避難生活を余儀なくされ、「風化」と「風評」という「二つの風」との闘いが続いていることを忘れてはいけません。公明党は4月から始まる次の5年間の「復興・創生期間」を前に、3月12、13の両日、被災3県本部ごとに復興会議を開催し、復興加速へ向け決意を新たに出発します。被災者が希望を持ち、一人一人が「心の復興」「人間の復興」を遂げるその日まで、徹して寄り添い、戦い抜いてまいります。
当面の政治課題
中小企業の賃上げ実現を。軽減税率の円滑導入に全力
経済
現在、国会で審議中の2016年度予算案は、3月1日にも衆院を通過する見通しとなり、年度内成立のめどが立ちました。また、近く国会提出されるTPP(環太平洋連携協定)の協定案と関連法案については、特別委員会を設置して審議を進め、今国会での承認・成立を期してまいります。
日本経済は自公連立政権の下、デフレ脱却が目前の状況まで来ています。特に、雇用では、この3年で就労者数が約150万人増え、企業収益も過去最高水準に達しました。年頭から株式・為替市場が不安定になっていますが、中国経済の先行きに対する不安や原油価格の下落など、さまざまな外的要因を背景にした動きであり、日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)はしっかりしており、緩やかな回復は続いています。
この景気回復の実感を全国津々浦々まで浸透させるため、経済の好循環に向けた取り組みを力強く進めることが大切です。デフレ脱却、経済の好循環には、中小企業も含めた賃上げの実現がカギを握ります。現在、春闘交渉が続いており、経済界にはベースアップの要求に対し積極的な回答を期待したい。加えて、中小企業が賃上げに踏み切るには、大企業の拡大している収益を中小企業に還元する下請け取引条件の改善が必要です。そのためにも、政府には、実態調査を踏まえた、適正取引のためのガイドラインの改善・拡充などを強く求めてまいりたいと思います。
軽減税率
来年4月からの消費税10%への引き上げと同時に軽減税率を円滑導入するための関連法案の一日も早い成立を期してまいりたい。
軽減税率は、民主、自民、公明の3党合意に基づく社会保障と税の一体改革関連法で示された低所得者対策の選択肢の中から、唯一の実現可能な制度として導入が決まりました。
民主党は、軽減税率を前提とした消費税率引き上げは認めないと主張していますが、軽減税率を逆進性対策として認めた3党合意の当事者として筋違いも甚だしい。同党は、給付つき税額控除を訴えていますが、痛税感の緩和につながらないばかりか、制度の前提となる所得や資産の正確な把握が可能になる見通しは立っておらず"絵に描いた餅"にすぎません。しかも、いつになるか分からない給付つき税額控除の実現まで、恒久的な低所得者対策を先送りし、「暫定的・臨時的」な簡素な給付措置を続けるというのは、あまりにも無責任ではないでしょうか。
今、求められるのは、軽減税率の円滑導入に向けた取り組みです。公明党は国民と事業者から現場の声をきめ細かく伺いながら、政府・与党一体となって理解を広げてまいります。
総活躍社会
政府は、全ての人が輝き、自己実現できる「1億総活躍社会」の実現を、重点課題に掲げています。公明党は特に、女性が生き生きと活躍し、若者が将来に希望を持てる社会の構築が重要であると考えます。仕事と子育て・介護の両立支援のほか、非正規雇用の正社員化や待遇改善など、雇用対策をさらに進めてまいりたい。また、有給休暇の取得促進や長時間労働の是正など、働き方改革も強力に取り組む必要があります。
さらに、公明党がかねてから主張してきた「同一労働同一賃金」について、安倍首相も実現に向け有識者検討会を設置し、関係する労働法の改正を軸に具体的な法制度のあり方やガイドラインを検討するよう指示しました。公明党は党内に設置した検討小委員会を中心に、この課題に対する議論を加速させ、法整備に党の考えを反映させるなど、引き続き積極的に実現に向けてリードしてまいります。
一方、子どもの貧困問題への対応も急務です。親の自立支援はもちろん、子どもの学習支援など、貧困の連鎖を断ち切るべく、党のネットワークを駆使して、実態に即したきめ細かな支援を一層充実させてまいります。
外交・安全保障
今年に入って北朝鮮は、核実験と長距離弾道ミサイル発射を強行し、わが国を取り巻く安全保障環境の厳しさをあらためて認識させられました。わが国の独自制裁に加え、近く、国連安保理で北朝鮮に対するわが国の主張が盛り込まれた強力な制裁決議が採択される見通しですが、日本政府は非常任理事国という立場を生かし、北の拉致、核、ミサイルといった諸問題の包括的解決に向け、国際社会への働き掛けを一層強めてもらいたい。
今年は米大統領選が行われるほか、イギリスではEU残留・離脱を問う国民投票が予定されるなど、国際社会にとって大きな変化の年です。その中で日本は、G7「伊勢志摩サミット」、さらに日中韓サミットの議長国を務めます。国際社会と地域の平和・安定、発展に日本が一層のリーダーシップが果たせるよう、政府は万全の準備で臨んでもらいたい。公明党も与党として全力で支えてまいります。
参院選の大勝利へ
党の揺るぎない基盤を確立する重要な戦い
夏の参院選から「18歳選挙権」が実施されます。わが国の将来を担う若者の政治参加が広がる意義は大きく、この機会を大いに生かしてまいりたい。こうした中、若者の声を政治に届けるべく、党青年委員会が全国展開している政策アンケート調査「VOICE ACTION」は画期的な取り組みであり、その結果を党の重点政策に反映し、実現に全力を尽くしたいと思います。
また、被選挙権年齢の引き下げについても、党政治改革本部内にプロジェクトチームを発足させました。若い世代の政治参加をさらに促進する観点から、検討を進めてまいります。
7月の参議院選挙は、衆院選、統一地方選に続く党の揺るぎない基盤を確立する重要な戦いであり、断じて負けるわけにはいきません。全議員が支持拡大に果敢に挑み、勝利の突破口を切り開いていこうではありませんか。私も勝利に向かって全国を走ります。皆さん、全力で戦いましょう! そして、断じて勝ちましょう!