eコラム「北斗七星」
- 2016.02.29
- 情勢/社会
公明新聞:2016年2月29日(月)付
忙しい毎朝。「朝ご飯を食べるぐらいなら、もう少しだけ寝ていたい」「ダイエット中だから...」などと、朝食を抜いている人がいる。だが、朝食は単に胃袋を満たすためだけでなく、心身にとって大切な役割を果たしている◆今月4日、朝食を週0~2回しか取らない人は、毎日食べている人に比べて脳出血になる危険度が36%高まることを国立がん研究センターなどの研究チームが発表し、改めて朝食の重要さを痛感させられた。脳出血は高血圧が大きな要因とされるが、朝食を抜くと空腹によるストレスなどから血圧が上がることが知られている◆朝食の大切な役割は、脳の主なエネルギー源であるブドウ糖を補給すること。ブドウ糖は体内に大量に貯蔵しておくことができず、すぐに不足する。このため、空腹状態で起きた朝の脳のエネルギー不足を補うのが朝食なのだ◆朝食を取らないと、脳のエネルギー欠乏状態が続き、職場や学校に行っても、イライラしたり集中力や記憶力が低下し、仕事や勉強がはかどらないことにつながってしまう◆事実、文部科学省の調査によると、朝食をきちんと食べる習慣のある小中学生ほど、国語でも算数・数学でもテストの正解率が高い。運動能力でも同様の結果が出ている◆大人も子どもも、朝食を必ず取る習慣をつけたい。(翼)