eコラム「北斗七星」

  • 2016.03.04
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年3月4日(金)付



29.9%という数字に衝撃が走った。これは沖縄の子どもの貧困率だ。県内の子どもの約3人に1人が貧困状態にあるという。ひとり親世帯の貧困率は約6割にも上る。県が先ごろ発表した調査で明らかになった◆厚生労働省によると、日本の子どもの貧困率は16.3%(2012年)。沖縄の割合は全国の約2倍の高さとなる。山形大学の戸室健作准教授の調査では、沖縄の子どもの貧困率は37.5%という結果も。極めて深刻な事態である◆貧困の定義は大きく二つ。一つは「絶対的貧困」で、最低限の衣食住を満たせない状態。もう一つは「相対的貧困」で、平均的な生活水準から著しく低い状態を指し、日本で例えるなら、1日におにぎり1個しか食べていないという具合だ。後者は外から見えづらく、支援が届きにくい。こうした貧困が確実に身近に広がっている◆貧困は子どもの学力や精神にも影響を与える。進学や就職を断念するケースも多い。結果、将来の子どもも貧困を抜け出せず、"負の連鎖"に陥りやすい。何としても、この鎖を断ち切ることが必要だ◆沖縄県は基金約30億円を創設し、効果的な対策を行う計画を進めている。子どもの貧困対策は日本の未来をつくることに直結する。弱者の味方・公明党が本領を発揮し、対策の推進役を担っていきたい。(治)

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