e参院予算委員会での公明党の質疑(要旨)(2)

  • 2016.03.04
  • 政治/国会
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公明新聞:2016年3月4日(金)付



秋野 公造 参院政策審議副会長



3日の参院予算委員会で、秋野公造参院政策審議副会長が行った質疑(要旨)は次の通り。


雇用


若者の賃上げさらに


協会けんぽ 「データヘルス」進めよ


秋野公造氏 昨年、日本経済団体連合会が公表した2015年春季労使交渉妥結結果を見ると、大手企業の妥結額が平均8235円、中小企業が同4702円だ。しかし20~24歳は平均3000円の賃上げにとどまると(標準報酬月額の引き上げに伴う)社会保険料の増額分が、給与の増額分とほぼ相殺されてしまう。2000円なら(保険料の増額が給与の増額を上回る)逆転現象も起きる。

若者に賃上げの恩恵を実感してもらうには、さらなる処遇改善を行う事業者に対し、(雇用安定などの)雇用保険2事業を活用した支援策を拡大するべきだ。

首相 雇用保険2事業で「職場定着支援助成金」により、職能や職歴に応じた賃金体系を定める「賃金表」を導入した事業主を支援する。また、16年度予算案では特に、介護事業者が賃金表を導入した場合の助成を新たに創設する。


重症化予防


秋野 病気の予防と重症化予防対策は、一人一人の健康や社会保障費の抑制につながるものであり、保険者の取り組みが期待されている。その上で、レセプト(診療報酬明細書)を活用して健康指導を行う「データヘルス事業」は、国民の3分の1が加入する協会けんぽでは、全国的に見ても(悪化すると透析に至る)糖尿病性腎症の重症化予防にとどまっている。同病の目、足の合併症や、予防できる胃がん、肝がんも同事業の全国展開に向けて検討するべきだ。

厚労相 保険者と医療関係者が連携して糖尿病患者に早期に対応し、透析に移行するリスクを防ぐ重症化予防は、広島などの協会けんぽで行っている。指摘のような分野については、協会けんぽにデータを分析してもらい、効果が期待できれば全国展開したい。

秋野 日本で肥満者の割合が一番多いのは沖縄県だ。しかし、1972年と2011年を比べると、カロリーと脂質の摂取量が減っている。運動や飲酒の状況を見ると、男性は歩数平均値が全国10位、飲酒習慣者の割合が同44位であり、必ずしも積極的な原因を指摘できない。

肥満者の定義も、BMI(体格指数)は身長と体重で計算しているが、筋肉量も考えなくてはならない。沖縄は(総摂取エネルギーに占める)脂肪の比率が圧倒的に高い状況であり、食事の組み合わせや栄養素の摂取量、体の組成などの細かい再検討を行わないと、的確な健康・栄養指導はできないのではないか。

厚労相 厚労省では国民健康・栄養調査で国民の健康状態や栄養摂取の状況などを調べており、検討会で調査内容を検討している。指摘の点は新しい視点であり、より効果的な健康増進につながる可能性もある。専門家の意見も踏まえて、委員の提案を念頭に調査内容を検討したい。


半島・離島


国際航路に国内客乗船 対馬で実現の可能性


秋野 条件不利地である半島では、生活の足である航路への支援が離島と同様に極めて重要だ。長崎市と(半島振興対策実施地域の)熊本・天草の苓北町は陸路だと5時間かかるが、海路は75分。同航路が国の離島航路補助の対象として申請が出た場合には、支援されるのか。

国交相 補助対象の可能性がある。今後、地元自治体などで協議会が構成され、補助に対する要望、相談があれば、補助申請の準備について支援したい。

秋野 離島航路について、博多港と対馬市の比田勝港、韓国の釜山港を結ぶ国際航路に、もし比田勝の住民が乗船できれば、1時間ほどで博多に着く。しかし、現在は陸路で2時間かけて市内の厳原港に移動し、国内航路で向かっている。同市では、生活の利便性向上や国内旅行者の増加をめざし、国際航路に国内旅客を混乗させようと取り組んでいるが、税関、出入国管理、検疫の問題がクリアできたら混乗は可能か。

国交相 出入国管理などの問題が解決されれば可能と考えている。今後、航路開設の動きが本格化してきたら、関係者の意向を確認しながら航路開設の手続きに対応したい。


住まい


秋野 介護が必要な低所得者の住まいとして空き家を活用してはどうか。また、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)については、要介護度が上がっても住み続けられるように(入居者に入浴、排泄、食事の介護などを行う)特定施設入居者生活介護の指定を前提としたところを重点化するなど、高齢者が安心して暮らせるセーフティーネットの強化策を提案したい。

国交相 サ高住について16年度予算案では(空き家などの)既存ストックを改修して供給するものに補助を拡充する。また、住宅事業者自らが介護サービスを提供する場合や、医療機関・介護事業所との連携が確保されている場合など、医療・介護サービスが適切に供給されると市町村が判断するものに補助を重点化したい。サ高住に医療機関や介護事業所を併設する場合は、特に地域の医療・介護の拠点となるものについて補助を拡充する。

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