e中小が成長をけん引

  • 2016.03.04
  • 政治/国会
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公明新聞:2016年3月4日(金)付



下請け取引改善さらに
重症化予防へ 健康栄養調査 再検討せよ
参院予算委で西田、秋野氏



参院予算委員会は3日、安倍晋三首相ら全閣僚が出席して2016年度予算案の基本的質疑を行い、公明党から西田実仁参院幹事長と秋野公造同政策審議副会長が、中小企業の下請け取引条件の改善や、病気の重症化予防などについて質問した。


=西田まこと氏の質疑要旨
=あきの公造氏の質疑要旨


西田氏は、全国8ブロックの広域地方計画協議会が取り組む自治体の広域連携について、防災や人口減少、高齢化などへの対策や観光振興に向けて政府として後押しすべきと指摘。安倍晋三首相は「全国各地に(広域)"連携の嵐"を共に起こしたい」と答えた。

西田氏は来年4月の消費税率10%への引き上げに伴う低所得者対策について、「逆進性対策や痛税感の緩和策として、現実的かつ実行が可能で効果があるのは軽減税率しかない」と指摘。安倍首相は「軽減税率は給付つき税額控除などの給付措置と異なり、買い物の都度、痛税感の緩和を実感できる。逆進性緩和の観点からも有効」と強調した。

また西田氏は、「子育て世代包括支援センター」(日本版ネウボラ)の全国展開について「予算措置で安定していない。市町村の取り組みを促すためにも法定化すべき」と主張。塩崎恭久厚生労働相は、同センターの法定化を盛り込んだ児童福祉法改正案を今国会に提出する方針を示した。

さらに西田氏は、1日発表の法人企業統計に関して、資本金1000万円から1億円の企業が人件費や設備投資、経常利益を伸ばしている現状を示し「中小企業が成長をけん引している」と力説。さらなる成長の実現へ下請け取引の改善を促すため、政府の実態調査を継続し、その結果に基づいてさらなる取り組みを進めるよう訴えた。安倍首相は「実態調査をしっかり行い、取引条件の改善に努めたい」と応じた。


低所得高齢者の住宅確保も


一方、秋野氏は病気の重症化予防に関して、レセプト(診療報酬明細書)のデータを活用して健康指導を行う「データヘルス事業」に言及。中小企業の従業員らが加入する協会けんぽにおいて、糖尿病の目、足の合併症や、胃がん、肝がんで同事業が全国展開されるよう検討を求めた。

これに対して塩崎厚労相は、「効果が期待できれば全国展開したい」と答えた。

また秋野氏は、沖縄県が肥満者の割合で全国1位となっている一方、約40年前と比べてカロリーや脂質の摂取量が減っていると説明。「食事の組み合わせや栄養素の摂取量、体の組成など細かい再検討を行わないと、的確な健康・栄養指導はできない」と訴えた。

塩崎厚労相は、指摘に対して「新たな視点だ」と表明した。

その上で「国民健康・栄養調査」で国民の健康状態や栄養摂取の状況などを調べていることに触れ「専門家の意見も踏まえて(秋野氏の)提案を念頭に調査内容を検討したい」と答えた。

さらに秋野氏は、介護が必要な低所得高齢者の住まいの確保を求めた。

石井啓一国土交通相(公明党)は、医療・介護の質を担保したサービス付き高齢者向け住宅などの整備に重点的な支援を行う考えを示した。

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