e「人間の復興」必ずや
- 2016.03.14
- 情勢/社会
公明新聞:2016年3月13日(日)付
大震災5年 公明が福島、岩手で復興加速化会議
「新しい東北」へ新たな前進
山口代表、井上幹事長ら訴え
未曽有の大災害となった東日本大震災の発災から11日で5年が過ぎた。これを受けて公明党は12日、福島県いわき市と岩手県大船渡市で復興加速化会議を開催。山口那津男代表、井上義久幹事長らは、一人一人が「人間の復興」「心の復興」を遂げるその日まで、公明党は被災者に寄り添い続けると強調し、復興の総仕上げが始まる4月からの「復興・創生期間」に向けて、力強く出発を切った。きょう13日には、宮城県石巻市でも同会議を開催する。
福島復興加速化会議で山口代表は、5年前の発災当時を振り返り、「公明党は野党だったが、復興基本法を制定し、特別な財源を設けて復興を進めてきた」と述べ、全国のネットワークを生かして、がれき処理や街づくりなどに取り組んできたと強調。今月末で「集中復興期間」が終わり、「復興・創生期間」に移行することについては、「現場には期間の線引きはない。公明党は『人間の復興』を成し遂げるまで総力を挙げる」と力説した。
また、被災者からも未来を見据えた声が寄せられるようになったことを紹介。「新しい福島をつくろうとの目標を感じる。一人一人の要望に耳を傾け、解決し、安心してもらうことが大事だ」と訴えた。
その上で、「『新しい東北』、その先頭を行く福島が未来への構想を描きながら前進していきたい。公明党のネットワークは他党にはない活動体であり、復興を前に進めていこう」と呼び掛けた。
会議では、若松謙維復興副大臣、高木陽介経済産業副大臣(ともに公明党)が県内の復興状況を報告し、横山信一参院議員、福島県の鈴木正晃副知事、清水敏男いわき市長らがあいさつ。甚野源次郎県代表が「公明党『世界に誇れる"うつくしま"復興・創生』宣言」(2面に全文)を提案し、満場一致で採択された。
一方、岩手の復興加速化会議では、井上幹事長が4月からの復興・創生期間に向け、高齢者から若者まで「一人一人が人生設計を描ける地域をつくる必要がある」と強調。被災地が元の姿に戻るだけでなく「地方創生のモデルをこの地から築いていこう」と呼び掛け、国と地方の議員がより一層連携して復興の将来像を描く決意を述べた。
また、石田祝稔政務調査会長、小野寺好県代表(県議)は「被災者の皆さんが普通の生活を取り戻せるその日まで、共に全力で闘っていく」と誓った。このほか、来賓として出席した戸田公明・大船渡市長、医療法人勝久会の木川田典彌理事長は、公明党の復興への尽力に謝意を述べた。
故郷への帰還を全力支援
被災者と懇談、視察
どこまでも寄り添い生活再建
12日、福島入りした山口代表らは、東京電力福島第1原発事故の爪痕が色濃く残る双葉郡を訪問。このうち、昨年9月に避難指示を解除された楢葉町では、帰還した住民と懇談した。
席上、住民からは「コミュニティーが壊れ、町に帰りづらい状況がある」「働く場や子育ての環境を改めなければ、若者は故郷を捨てざるを得ない」など、帰還後も続く不安の声が相次いだ。また、「女性は買い物や近所付き合いなど生活面のことを気にする。もっと女性の視点を大切にした支援をお願いしたい」とした意見も多く寄せられた。
切実な訴えに、山口代表は「一番苦しんでいる双葉郡から新しい希望を発信したい。帰還へ向けた対応に全力を尽くす」と答えた。
また、井上幹事長らは、岩手県釜石市鵜住居地区に赴き、復興工事の状況を確認した。
一行は、田中透副市長らの案内で、高台に建設中の幼稚園や小中学校などを併設する複合教育施設を視察。「地域における復興のシンボルと災害時の避難所として整備を進めている」との説明を受けた。
この後、訪れた大槌町では道路整備や、かさ上げ工事の現状を確認。井上幹事長は「住宅再建は、これからが正念場。一日も早く、被災者がもとの暮らしを取り戻せるよう全力を挙げたい」と述べた。