e児童福祉司 増員可能に
- 2016.03.15
- 情勢/解説
公明新聞:2016年3月15日(火)付
急増する虐待防止へ
算定基準を引き上げ
急増する児童虐待に対応するため、政府は来年度から児童虐待の相談や指導などに当たる児童福祉司の配置基準を改め、増員する方針を決めた。厚生労働省は先月23日、人件費に使える地方交付税を増やし、児童福祉司の増員を促す考えを示した。
児童福祉司は現在、地方交付税措置において、人口170万人当たり36人を配置できる経費が計上され、全国に2934人(2015年度)いる。今回の基準見直しにより、来年度には算定基準が39人に引き上げられ、最大で約230人増える計算になる。
全国の児童相談所での児童虐待相談対応件数は8万8931件(14年度)で、1999年度と比べると、7.6倍に増加。相談内容で最も多いのが心理的虐待で、半数近い43.6%を占めている。
児童虐待の相談件数が年々増える中、児童福祉司1人当たりの負担が大きくなっているのが現状で、心理面に配慮したより専門的な知識や技術を備えた相談体制の拡充が求められている。
公明党は、児童福祉司の増員に関して、93年から国会質問や提言などで児童福祉司の算定基準の見直しを繰り返し要望。また、保育所や学校に虐待の早期発見と児童相談所への通報を努力義務とした児童虐待防止法の成立をリードし、児童虐待防止対策を推進してきた。