eコラム「北斗七星」
- 2016.04.04
- 情勢/社会
公明新聞:2016年4月4日(月)付
ネットワークは、つながり広がってこそ利便性が高まる。インターネットの普及などは典型的で、エリアの拡大で利用者を増やし、高速化、大容量化などのサービス向上が、さらに需要を喚起してきた◆先日開業した北海道新幹線では、高速交通ネットワークが北へと延びた。しかも、従来の在来線特急に比べて"大容量"。「開業早々、乗車率で苦戦」「東京―函館間なら飛行機が便利」。そんな声もある中、いかに利用客を増やすか◆開業行事に訪れた石井啓一国土交通相(公明党)は、「新函館北斗駅から大宮駅まで、最速で3時間38分」と"キーワード"を示した。大宮駅のある埼玉県と、隣接の北関東地方の人口は1000万人超。この地域からは、東京・羽田空港へのアクセスを含めると、空路と新幹線の所要時間がほぼ変わらない◆加えて大宮駅には、上越、北陸の両新幹線も接続する。沿線地域と北海道を結ぶ航空路線は少ないことから、新たなニーズを掘り起こす余地は大いにある◆もちろん、"より近くなった"東北各県の期待も高い。北海道には年間、訪日外国人客の10分の1に当たる約200万人が訪れる。函館市だけでも35万人で、これは東北6県の合計客数に匹敵する。チャンスは広がった。それを生かす各地の連携と知恵で、地方創生につなげたい。(武)