e成年後見人を確保へ

  • 2016.04.11
  • 情勢/解説
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公明新聞:2016年4月9日(土)付



制度利用促す新法成立
認知症高齢者の増加に対応



認知症や知的障がいなどで判断能力が不十分な人に代わり、財産管理や契約行為を行える「成年後見制度」の利用促進法が8日の衆院本会議で、自民、公明の与党両党や民進党などの賛成多数で成立した。認知症の高齢者が増加し、その権利を守る成年後見人の重要性が高まっていることを踏まえ、一般市民から後見人となる人材を確保する方策も盛り込んだ。近く施行される。

同法は、成年後見制度が認知症の高齢者らを支える重要な手段であるにもかかわらず、十分に利用されていないと問題提起。「必要とする者に十分利用されるよう、周知および啓発のために必要な措置を講ずる」と明記した。

その上で、「市民の中から成年後見人などの候補者を育成し、人材を十分に確保する」として、後見人となり得る市民に対する研修や情報提供、相談、助言などの支援を充実させるよう、地方自治体を中心とする地域社会に求めた。

成年後見人による横領など、一部で指摘される不正への対応としては、監督強化に向けた家裁や自治体の体制整備を促す規定を設けた。制限されている被後見人の権利についても見直す。これらを実施するために必要な法制上の措置は、法律の施行から3年以内をめどに講ずるとしている。

一方、政府に対しても、制度の普及に向けた基本計画の策定を義務付けた。策定機関として、首相が会長を務め、関係閣僚らで構成する「成年後見制度利用促進会議」を内閣府に置くとしている。また、同会議の諮問機関として有識者で組織する「成年後見制度利用促進委員会」を設置する。

成年後見人の事務円滑化に向けた改正民法なども6日の参院本会議で、与党と民進党などの賛成多数で成立している。家裁が認めた場合に、成年後見制度の利用者宛ての郵便物の開封、閲覧や、死後の火葬手続きをできるようにする規定などを設けた。10月にも施行される。


公明の長年の訴え実る
党成年後見制度促進PT座 大口 善徳 衆院議員


公明党は2010年に成年後見制度促進プロジェクトチーム(PT)を設置し、制度の普及促進に向けて実効性のある施策や関係法整備を議論してきました。

成年後見人が付くと選挙権を失うとの公職選挙法の規定を削除し、被後見人に選挙権を一律付与する改正公選法を実現したのも公明党です。

成立した利用促進法も、12年にPTとして取りまとめた法案の要綱骨子が原案となっています。

法案審議の過程で、反対する野党から「成年後見制度の利用促進より先に高齢者や障がい者の意思決定を尊重する環境整備を」との指摘がありました。しかし、法律には、こうした要素がちりばめられています。

今後は、法律が十分に実効性を確保できるよう、フォローアップしていきます。

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