eコラム「北斗七星」
- 2016.04.15
- 情勢/社会
公明新聞:2016年4月15日(金)付
プロ野球球団に「永久欠番」という制度がある。球史に輝く功績を残した選手を称えるために各球団が自主的に制定するものだ。日本では長嶋茂雄、王貞治両氏など名だたる選手の背番号が永久欠番になっている◆米国でも1939年、ルー・ゲーリッグ(ヤンキース)の背番号4が初の永久欠番になったのをはじめ、多くの永久欠番が存在する。永久欠番は所属球団が制定し他球団には波及しないものだが、米大リーグには唯一、全球団が永久欠番にしている背番号がある。ジャッキー・ロビンソンの背番号「42」だ◆彼は近代大リーグ初の黒人選手。黒人差別の色濃い1950年代に大リーグ入りした彼は、ロビンソンが出場する試合は拒否するといった他球団の差別に対し、常に紳士的に向き合い、自らの活躍で一つ一つ跳ね返していった◆第2、第3の黒人大リーガーを誕生させたいと戦い抜いたロビンソンの人生が、人種差別問題に与えた影響は計り知れない◆最近、日本スポーツ界は賭博問題などファンを、なかんずく子どもたちを落胆させる選手の振る舞いが続出している。繰り返されることのないよう選手教育を再徹底するとともに、全スポーツ選手には、心に「42」を刻み込んでほしい。きょう4月15日はロビンソンがメジャー・デビューを果たした日だ。(爽)