eコラム「北斗七星」

  • 2016.04.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月16日(土)付



今年1月に放送開始10周年を迎えたNHKテレビ「プロフェッショナル仕事の流儀」。月曜夜10時25分という遅い時間からの放送だが、自分の仕事と生き方に確固たる流儀を持つ仕事人に密着した情報・ドキュメンタリー番組として注目度が高い◆今週11日に放送された、若き焼き鳥屋店主・池川義輝さん(44歳)の話も圧巻だった。日本一予約が取れない焼き鳥屋といわれるが、弟子入りした当初は失敗の連続。弟子を変えたのは、「自分を出すな、素直になれ」という師匠の言葉だった◆将来は独立したい、どんな店にするかと焦って自分を見失っていた弟子を、師匠は叱咤した。「自分のことばかり考えているから、いいものが焼けない。もっと素直になって、相手のこと(お客さまに喜んでもらうこと)を考えて焼け」と◆念願の独立から10年、今も師匠譲りの流儀を追求する池川さんだが、「自分を出すな、素直になれ」は、昨今の政治家不信や政治家劣化を考えると、まさに政治家こそが肝に銘じるべき言葉ではないか。「自分を出すな」とは、私利私欲や自己保身に溺れるなということだろう◆有権者に真摯に向き合い、国民のための政策を実現していく。それが政治家の仕事だ。政策無視の離合集散、不祥事も絶えない中で、政治家の「仕事の流儀」が問われている。(鈴)

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