e不合理な格差なくせ
- 2016.04.18
- 情勢/社会
公明新聞:2016年4月16日(土)付
非正規の能力開発も
党同一賃金検討小委提言
公明党の「同一労働同一賃金の実現に向けた検討小委員会」(委員長=古屋範子副代表)は15日、首相官邸で菅義偉官房長官に対し、非正規労働者の待遇改善や能力開発の推進を柱とする安倍晋三首相宛ての提言を申し入れた。
古屋副代表、石田祝稔政務調査会長のほか、佐藤茂樹党雇用・労働問題対策本部長、検討小委の伊佐進一事務局長、中野洋昌同次長の各衆院議員が参加した。
提言では、労働者の約4割を占める非正規労働者の待遇について、海外のパートタイムの例も挙げながら「(正社員との)差が『合理的』に説明できるかが重要だ。日本は他国と比して差が大きく、合理的と言えるかが問われている」と指摘。改革の方向性として「時間当たり賃金が正社員の6割程度である現状を、欧州並みの8割程度に引き上げる」ことを掲げた。
具体策としては、雇用形態に関係なく、合理的な理由のない不利益取り扱いを禁止するための法改正を提唱した。合理的理由に関して、日本の雇用慣行を踏まえた指針を早期に示すことも求めた。性別などで差を設けることについては「厳しく合理性を判断するべきだ」とした。
さらに「とりわけ非正規労働者は能力開発の機会が不足している。充実させて待遇改善や正社員転換を図ることが必要だ」と強調。生涯にわたる教育訓練や、キャリア形成に熱心な企業への支援、出産・育児で仕事を離れた女性が再び働ける環境の整備を提案した。
古屋副代表は席上、中小企業に配慮して対策を進める必要性を訴えた。また、賃上げや待遇改善を進めるには「景気回復が基本だ」として、一層の取り組みを促した。菅官房長官は「首相も(同一労働同一賃金を)打ち出している。しっかりと受け止める」と応じた。