e不明者捜索、救出急ぐ 熊本地震
- 2016.04.19
- 情勢/経済
公明新聞:2016年4月19日(火)付
ライフライン一部復旧
熊本県を中心に相次いでいる地震で自衛隊や警察、消防は18日も、行方不明者の捜索や救助活動を懸命に続けた。被害が大きかった同県南阿蘇村では、行方不明者の捜索を続け、土砂崩れ現場から男女2人を発見。女性は死亡が確認された。マグニチュード7.3の本震の発生から、生存率が急激に低下するとされる72時間が19日未明で経過。自衛隊などは引き続き不明者発見に全力を挙げる。地震による死者は43人、重軽傷者は1000人を超えた。
熊本県によると、18日午後1時半現在の避難者は約9万3000人。水や食料などの支援物資が十分に届かない地域があるなどの課題が生じている。
一方、18日には鉄道や道路など交通網の一部が復旧し、熊本空港は19日から一部の便で運航を再開。運休していたJR鹿児島線の荒尾―熊本間は18日午後に運転を再開し、福岡市と熊本市が在来線で結ばれた。
ライフラインでは、断水していた熊本市内で試験給水が開始された。九州電力によると、熊本県の阿蘇市や南阿蘇村では多くの世帯で停電が続いている。
阿蘇市など震度5強
18日午後8時42分ごろ、熊本県阿蘇地方を震源とする地震があり、阿蘇市と大分県竹田市で震度5強の揺れを観測した。震度5以上の観測は16日以来。
物資届ける人手が不足
党対策本部で遠山氏が報告 未把握の避難者も多数
公明党の「平成28年熊本地震対策本部」(本部長=井上義久幹事長)は18日午後、衆院第2議員会館で会合を開き、内閣府など関係府省から被害状況などを聞くと共に、党所属議員が調査した現地の実情について、遠山清彦衆院議員が報告した。
遠山氏は、食料や水が「十分に行き渡っていない」として、カップ麺が届いても、飲用水や湯沸かし手段がないため、食べられないケースがあることなどを紹介。支援物資の仕分けなどを行うマンパワー(人手)が足りないことやガソリン不足で運搬車両の給油が難しくなっていることを強調し、近隣自治体などからの支援の必要性を訴えた。
また、避難者数について、自治体に指定されていない避難所や車中などに滞在し把握されていない避難者が多いため、実際の数と報じられている数には「隔たりがある」と指摘。
避難所の学校施設については、天井などの非構造部材が破損する恐れがあり、避難者を収容できないケースもあるとした。