eコラム「北斗七星」

  • 2016.04.20
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年4月20日(水)付



仕事柄、夜遅くに帰宅することが多い。最寄り駅の改札を出て自宅までの道すがら、親子連れとすれ違うことがある。子どもたちは本来、眠りについている時間だろうが、意外と元気いっぱいだったりする◆実は日本の乳幼児、めっぽう睡眠時間が短い。3歳以下の一日の睡眠時間を、2010年にイスラエルの研究者が調べたところ米国、英国、中国、韓国など17カ国のうち、日本は平均11時間37分で最下位。最長のニュージーランドとは1時間40分の差があった◆生後不安定な眠る時間は、2歳ごろには昼夜の区別がつき、落ち着いてくる。しかし、昨今の夜型社会が影響してか、夜に寝られない子どもの専門外来受診件数が増えている。子どもの睡眠障害は不登校の一因にもなる。ある地域では、学校を挙げて家庭での生活リズム改善に取り組んだところ、数年後には不登校がゼロになったという◆ヒトは24時間の中で朝起きて夜眠ることで、健康的に生きるための体内時計を長い時間をかけて構築してきた。それに反する環境に置かれた子どもの体が悲鳴を上げている◆医師は保護者の早寝がカギと言う。見直せる家庭は即実行すべきだが、中には暮らすために夜型を強いられることもある。こうした背景からも、公明党が取り組む働き方改革が必要になっている。(広)

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