e踏切事故を未然に防ぐ

  • 2016.04.26
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年4月26日(火)付



改良義務付け、まず58カ所
改正法を受けて本格化
立体交差化や歩道拡幅



事故の危険性が高い踏切や、交通渋滞の原因となる踏切は、全国に1000カ所以上あるとされ、事故防止などの対策が喫緊の課題となっている。これに対して、今国会で改正踏切道改良促進法が成立、1日から施行したことを受け、国土交通省は12日、まず17都道府県の計58カ所の踏切を「改良すべき踏切」に指定し、鉄道会社と自治体に改良を義務付けた。58カ所の踏切を対象に2020年までに具体的な対策を進める一方、改良すべき踏切の指定を拡大していく。

国交省によると、14年度の踏切事故は248件で、92人が犠牲になっている。歩行者の死亡が自動車や自転車に比べて多く、75人と約8割を占め、65歳以上の高齢者が31人と最多だった。

一方、朝のラッシュ時などに道路を遮断する時間が40分を超える"開かずの踏切"は、全国に約600カ所存在。慢性的な渋滞への対策が急がれている。

今回、指定された「改良すべき踏切」は、東京都の27カ所が最多。次いで、大阪府と兵庫県で4カ所、三重県、福岡県、宮崎県で3カ所と続く。今後、現場の状況に応じて立体交差化や歩道の拡幅に着手。高齢者などの事故を未然に防ぐために、(1)踏切内に取り残されたことを自動的に探知する「障害物検知装置」(2)踏切を認識しやすくする「全方位警報機」(3)踏切内に取り残されたことを列車に知らせる「非常押しボタン」―などの保安設備も整備する。

このほか、駅周辺の駐輪場の整備などで踏切を横断する交通量を低減したり、歩道部分をカラー舗装で分かりやすくするなどの対策が進められる。

国交省は今後、20年度までに少なくとも1000カ所以上を指定していく方針だ。

公明党は、05年に東武伊勢崎線竹ノ塚駅(東京都足立区)近くの"開かずの踏切"で起きた死傷事故を機に、危険な踏切の解消を一貫して訴えてきた。その結果、竹ノ塚駅付近は連続立体交差事業が20年度末の完成に向けて進む一方、全国の踏切について実態調査が行われ、立体交差化に加え、比較的短時間で改善できる対策も促してきた。

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