e熊本ボランティア支援 草の根の"無償の汗"に敬意

  • 2016.05.09
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年5月2日(月)付



先週末からの大型連休を利用して、全国各地から多くのボランティアが熊本地震の被災地に駆け付けている。

苦しんでいる人たちのために何かしたい―。そんな思いのままに、無償の奉仕活動に汗する人がこれほど多くいることは心強い限りだ。

被災地に勇気と希望を届ける草の根の人々の、その献身的な姿に、まずは心から敬意を表したい。とともに、余震や二次災害には細心の注意を払い、絶対無事故で、その力を存分に発揮してくださるよう、この点も強くお願いしておきたい。

地震発生から2週間余り。被災地では今も、多くの人が先行きの見えない避難生活を送っている。被災者の心身の疲れはピークに達し、既に限界状態にあることは想像に難くない。

「言わずもがな」のことかも知れぬが、ボランティアの方々には、被災者が置かれたこうした厳しい現実を十分に認識し、徹して心に寄り添うきめ細かな支援をくれぐれも心掛けてほしいと思う。

さらにもう一点、被災地に向かうに際しては、刻々と変化する現地の状況を十分に把握しておくことが肝要なことも指摘しておきたい。

市町村の中には、「安全に活動できる場所が少ない」として、受け入れ対象を熊本県在住者に限ったり、活動内容を大幅に限定したりしているところも少なくないからだ。

せっかくの熱意が無駄にならないよう、事前の準備や情報収集に万全を期すよう、重ねて強調しておきたい。

阪神・淡路大震災や東日本大震災の経験に照らして、最大震度7を記録した熊本地震の復旧・復興に長い時間がかかるのは必至だろう。ボランティア活動も息の長い継続的な取り組みが欠かせず、時間の経過とともに、心のケアなど、より専門性の高い支援が求められることにもなろう。

行政と民間団体はこの点を強く意識し、緊密な連携の下、長期化に耐えうる態勢づくりを今のうちから進める必要がある。その時どきの被災者のニーズ(要望)を的確に捉え、迅速に応えていく「官」と「草の根」との連帯の姿はそのまま、被災者に安心を与え、苦境を乗り越える力ともなることを確認しておきたい。

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