eコラム「北斗七星」

  • 2016.05.11
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年5月11日(水)付



8年ぶりの国内開催となる伊勢志摩サミットまで2週間余り。国内でも有数の風光明媚な場所を舞台に日、米、英、仏、独、伊、加の7カ国首脳が集う。今年で42回目。主要国間で、これほど長く続く枠組みはない◆会議は、首脳のほかにシェルパと呼ばれる補佐役が1人ずつ入るだけで進められる。首脳同士の食事にはシェルパも除外。シナリオが存在する多くの国際会議とは異なり、時にファーストネームで呼び合う濃密な空間で、いかに協調したメッセージを発信できるか◆首脳の参加回数はその在任期間を示す。これまでの最長不倒は、独のコール元首相で16回。今回の顔ぶれをみると、最多は同じく独のメルケル首相で11回。安倍首相は5回目だが、これまで日本は代理も含めると20人もの首相が出席。これほど多くの首脳が代わった国はない◆サミット発足当初、日本は観葉植物と対話しているなどと揶揄されるほど存在感は薄かったが、それも今は昔。混とんとする世界経済、多発するテロに難民問題など、今回は議長国日本のリーダーシップが問われる◆いつ首脳が交代するか分からない国と、互いの信頼関係を深めることは無理な話。世界からも相手にされない。外交に限らず、国内政治を前に進めるには、安定した政権が不可欠なのは言うまでもない。(広)

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