e島の果物 再び全国へ

  • 2016.05.20
  • 生活/生活情報

公明新聞:2016年5月20日(金)付



ミカンコミバエ発生から約1年
鹿児島・奄美大島

鹿児島県奄美大島で、果物などの農作物に被害を与える病害虫「ミカンコミバエ」の発生が18週連続(昨年12月~今年4月)で飛来確認ゼロの記録を更新し、農作物の島外出荷規制が4月27日、解除された。問題解決へ尽力してきた公明党奄美市議団(与勝広団長)の与、大迫勝史、栄ヤスエ、橋口耕太郎の各議員は同日、同市名瀬小宿の果樹園を視察した。

島外出荷規制を解除

18週連続で飛来確認がゼロ

「丹精込めて育てた果物を、また全国の人に食べてもらえるのが楽しみ」。スモモを栽培する西條安雄さん(77)、マサエさん(71)夫妻が、5月下旬の出荷に向け、農作業に汗を流す。 

世界中で農業害虫として扱われるミカンコミバエは、奄美大島では1986年に根絶した。ところが、昨年6月、約30年ぶりに飛来を確認。11月には、累計570匹に達していることが判明した。徳之島や屋久島でも発生が確認され、離島全体に不安を与えていた。

被害の拡大を防ぐため、農林水産省は12月、収穫時期を迎えていた特産品のタンカンやポンカンなどの農作物に対し、島外への出荷を規制。生産者は廃棄処分を余儀なくされた。

公明 問題解決に力尽くす

こうした中、公明党議員は問題解決へ奔走。11月9日には、党奄美ティダ委員会の遠山清彦委員長(衆院議員)が奄美大島へ急行。果樹園を現地調査するとともに、同島の首長や果樹生産者らと意見交換会を開催した。遠山氏はこの中で、「生産農家だけでなく、流通や加工業者など、幅広い支援を行っていく」と約束していた。

視察や意見交換を踏まえ、遠山氏は同13日、森山裕農水相、佐藤英道同大臣政務官(公明党)に対し、対策強化を要望。防除態勢を構築し、早期根絶へ政府を挙げて取り組むよう求めていた。

そのほか、県議会公明党の持冨八郎、党市議団の橋口の両議員もそれぞれ、12月の定例議会で、「他県に広がらないよう、早期根絶を」と訴えていた。これらを受け、行政は同月、殺虫剤の散布や、おびき寄せて駆除(誘殺)するわなの設置、廃棄処分が対象となっている果実の買い取りなどを行っていた。

収穫した農作物は今後、市役所の名瀬支所に設置されている植物防疫所で検査を申請し、合格すれば証明書が発行され、出荷が可能になる。

市農林振興課の山下仁司課長は、「ミカンコミバエの誘殺が確認されれば、再び規制される。引き続き防除を行っていく」と警戒を崩さない。

与団長は「特産品であるタンカンやポンカンの収穫時期まで、まだ期間はある。発生ゼロが続いていくよう、油断なく取り組んでいく」と語っていた。

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