e県民の「憤り」受け止めよ
- 2016.05.25
- 情勢/国際
公明新聞:2016年5月25日(水)付
「地位協定」見直し視野に
実効性ある再発防止策必要
沖縄米軍属逮捕受け党沖縄21世紀委
沖縄県で元海兵隊員の米軍属が逮捕された女性死体遺棄事件を受け、公明党の沖縄21世紀委員会(委員長=井上義久幹事長)と外交安全保障調査会(会長=佐藤茂樹衆院議員)は24日、衆院第2議員会館で合同会議を開き、政府に再発防止の徹底を訴えるとともに、在日米軍の施設使用や法的地位を定めた日米地位協定の見直しを視野に入れた処置などを求める決議をまとめた。
席上、党沖縄県本部の金城ツトム幹事長(県議)は、凶悪な犯罪に「怒りがたぎる思い」と抗議。事件・事故のたびに申し入れを繰り返してきたものの、答えとして返ってきた「綱紀粛正、再発防止、教育の再徹底との言葉が空々しく聞こえる」と憤り、「いつまで沖縄は我慢を強いられないといけないのかというのが県民の率直な思いだ」と訴えた。さらに、「海兵隊による事件・事故が圧倒的に多い」との県民感情があると指摘した。
会議では警察庁や防衛省から事件の経緯や、これまでの政府の対応をヒアリング。出席者からは夜間外出禁止令など、過去の再発防止策にもかかわらず犯罪が絶えないため、これまで以上に踏み込んだ対策を実施すべきとの意見が相次いだ。
井上幹事長は「実効性ある再発防止策を日米両政府に求めたい」と強調。党沖縄21世紀委として、(1)県民感情を十分考慮し、日米地位協定の見直しを視野に入れて実効性と説得力のある処置を講ずるべき(2)在沖米軍基地について、返還が決まっている区域は早期返還を引き続き求め、さらに段階的な整理・縮小を強力に推進する(3)党として今後、在沖米軍基地の使用実態・運用実態を調査し、今後の基地のあり方について党沖縄21世紀委、外交安保調査会などとして検討する――との決議を取りまとめた。
対策具体化へ日本が積極的に関わるべき
荒木、伊佐氏
24日の参院外交防衛委員会で公明党の荒木清寛氏は、沖縄での米軍属逮捕に関して「強い憤りを覚える。米国政府に強く抗議する」と述べ、日本政府として再発防止策を米政府に強く求めるよう要請した。
また「日米地位協定」との関係を確認。政府側は、公務外の犯罪であり、犯人の身柄はすでに日本側が拘束しているため、「捜査において日米地位協定が障害とはなっていない」と報告。一方で、米軍属は同協定に基づき沖縄に滞在していることから、米側に厳重な抗議を行ったと説明した。
荒木氏は、繰り返される在日沖縄米軍による事件で同協定の改定を求める声が高まっているとし「地位協定のあり方を真摯に検討すべきだ」と強調した。岸田文雄外相は「目に見える改善を一つ一つ積み上げ日米地位協定のあるべき姿を追求していく」と答えた。
一方、同日の衆院安全保障委員会で公明党の伊佐進一氏は、実効性ある再発防止策の重要性を指摘。「日本も責任を持って積極的に関わるべき」と訴えた。中谷元防衛相は、今回の事件を受けて沖縄防衛局に米側と再発防止策を協議するよう指示したとし、「早急に(対策を)まとめて実行したい」と語った。
米大統領に伝える
山口代表の訴えに首相
公明党の山口那津男代表は24日昼、首相官邸で安倍晋三首相(自民党総裁)と会い、沖縄県で米軍属が逮捕された女性死体遺棄事件について、「県民、国民が強い憤りを持っている。再発防止策をしっかりやってもらいたい」と訴えた。
その上で、26、27日に開かれる主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」で来日するオバマ米大統領にも伝えてもらいたいと要望。安倍首相は、「県民、国民の気持ちをしっかり伝える」と応じた。
この事件について山口代表は、同日午前に国会内で開かれた記者会見でも、「断固として許すべきではない。きちんと捜査を尽くした上で、あらゆる再発防止策の検討をするべきだ」と強調した。