e義援金差し押さえ禁止
- 2016.05.30
- 生活/生活情報
公明新聞:2016年5月28日(土)付
熊本地震で法制定
被災者の生活再建支える
熊本地震の被災者に支給される義援金の差し押さえ禁止法が、27日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。同法は、被災者が債務を抱えていても、金融機関などが義援金を差し押さえできないよう規定。受け取る権利の譲渡や担保化も禁止した。施行前に集められた義援金も保全の対象となる。被災者の生活再建を支援するため、公明党が成立をリードした。
同法により、住宅ローンなどを抱える被災者が「被災ローン減免制度」を利用した場合、原則、預貯金最大500万円と災害弔慰金、被災者生活再建支援金などに加えて、義援金も手元に残せるようになる。被災者はできるだけローンを返済した上で、返済しきれない分は免除される。
今回と同様の法律は、東日本大震災の際にも、弔慰金などの差し押さえ禁止と共に整備された。ただし、同震災の義援金に限定して立法化したため、熊本地震では新たな法律が必要だった。
公明、党一丸となって推進
公明党は、今月10日の政府・与党連絡会議で山口那津男代表が被災ローン減免制度の周知を訴えたことなどを受け、翌11日の自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長会談で、大口善徳国対委員長が義援金差し押さえ禁止法の必要性を指摘。自民党側も協力する考えを示した。
また、これに先立ち、公明党の赤羽一嘉衆院議員、弁護士の伊藤たかえ女性局次長(参院選予定候補=兵庫選挙区)が熊本地震の被災地を視察し、熊本県弁護士会から同法制定の要請を受けていた。
同法は、野党の理解も得て、衆院でも19日に全会一致で可決された。
熊本県弁護士会の山野史寛副会長は、「義援金は被災者の当座の生活を支えるためにある。差し押さえは本来の趣旨とは異なる使い方であり、義援金を手元に残すための法整備は被災者の生活再建にとって必要不可欠だ」と語っている。