eコラム「北斗七星」

  • 2016.05.30
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年5月30日(月)付



「落語では負けちゃいられない」。桂歌丸さんが日本テレビ系の人気演芸番組「笑点」を卒業するに当たって述べた言葉が印象深い◆放送開始から50年のレギュラー出演に終止符を打ったが、「まだまだ覚えたい噺がある」。芸道を究めていく思いを口にする。「修業は一生涯に及びます。ですから、辛抱もまた一生涯ということです」との信念からだ◆その歌丸さんが"辛抱ならぬ"とばかりに、国会を訪れたことがある。2009年12月のこと。公明党の会合に他の芸術家団体と共に出席し、当時の民主党政権が事業仕分けで文化芸術関連予算を縮減・廃止する判定を下したことに、「あまりに日本の文化芸術をバカにしている」と抗議した場面が記憶に残る◆「事業仕分けについて一番先に出したのは公明党さん。公明党さんの場合は、もっと(文化芸術への)理解をしておやりくださいましたよね。ところが、今のアレ(鳩山政権)は全然理解していない」。実際、日本の伝統文化を次世代に伝えていく「伝統文化こども教室事業」は廃止に追い込まれたが、関係団体と公明党の取り組みで14年度に「伝統文化親子教室事業」として復活した◆人間の成熟は、文化芸術なくしてはあり得ない。明るい日本、笑顔のある社会を築くため、心の豊かさを育む政治であり続けたい。(紀)

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