eコラム「北斗七星」
- 2016.05.31
- 情勢/社会
公明新聞:2016年5月31日(火)付
自治会やサークルなど地域の集いに顔を出すようになって、いろいろな知識が頭に入ってきた。先日も、耳にしたのは、例えば、眼内レンズの手術や定年後の再就職についての実に実践的な情報だった。聞けば丁寧に教えてくれる。ありがたい◆世界保健機関(WHO)によれば、2015年の男女合わせた日本の平均寿命は83.7歳。世界トップを20年以上連続でキープ。また、昨年8月には、米ワシントン大学などの研究チームが、13年の「健康寿命」を比較したところ日本の健康寿命は男性が71.11歳、女性が75.56歳で共に1位と発表している◆ところで政府が20日に決定した「高齢社会白書」で気になる比較が一つ。アメリカ、ドイツ、スウェーデンと日本の60歳以上の高齢者の意識調査だ。近所との付き合いについて、「病気の時に助け合う」「相談したりされたりする」という回答は日本が最も少ない。いずれも10~30ポイントもの差がある◆それを反映したように、家族以外で相談したり世話をし合うような親しい友人は「いない」との答えも日本が一番多かった。日本以外では同性・異性両方の友人がいる人が多いことも特徴的だ◆文化の違いもあろう。しかし、ちょっと寂しい調査結果だ。一歩を踏み出して、身近にある人の輪に入ってみることをお勧めしたい。(繁)