e児童扶養手当 ひとり親家庭の"命綱"を拡充

  • 2016.06.03
  • 生活/子育ての補助金・助成金
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公明新聞:2016年6月3日(金)付



低所得のひとり親家庭への経済的支援の"要"である児童扶養手当が、公明党の推進で今年8月分(12月支給)から大幅に拡充される。ひとり親家庭の実情とともに、長年、拡充を待ち望んでいた関係者の喜びの声を紹介する。


「増額は本当に助かる!」


今年8月から 第2子以降の加算倍増

さいたま市内に住むシングルマザーの喜明真弥さん(34)は、保育園に通う長男の喜世君(5)と次男の千明君(1)との3人暮らし。喜明さんは今年1月に離婚し、半年ほど前に北海道から引っ越してきたばかりだ。

現在、美容師として、パートタイムで働く喜明さんの1カ月の給料は、約12万円。子どもが未就学で手が離せず、フルタイムで働くのはなかなか難しい。平日の勤務は朝10時から夕方4時半までで精いっぱい。雇い主からの強い要望で、客の多い土曜日も出勤しているが、保育園の閉園時間が午後2時半のため、仕事ができるのは午後1時半までだ。

喜明さんは「今年5月の連休中に、子どもが発熱し、1週間も仕事を休んでしまい、給料は約9万円まで減ってしまった。できれば、毎月15万円は稼ぎたいのに......」と安定して働けない現状に不安の表情を見せた。

こうした喜明さん一家の家計を支える、主な公的支援が児童扶養手当(月4万7330円)と、児童手当(月2万5000円)だ。また子ども2人の保育料も、今年4月から無料になっている。しかし、ここから毎月の住居費約7万円などの生活費を差し引くと、家計は、やはり切迫してくる。

喜明さんは「子どもの成長とともに、今後、生活費も増えていく。今年8月から児童扶養手当が増額されれば、本当に助かる」と喜んでいた。

公明党はかねてから、子どもの貧困対策として、ひとり親家庭への支援拡充を推進してきた。特に児童扶養手当については、第1子の支給額が現在、月額最大4万2330円であるのに対し、第2子は5000円、第3子以降も1人につき3000円ずつしか加算されていない。公明党はひとり親家庭の母親や関係団体などからの要望を受け、国会質問を通し、第2子以降への増額を強く訴えていた。

また党の1億総活躍推進本部(本部長=石田祝稔政務調査会長)も昨年11月、安倍晋三首相に対し、児童扶養手当の機能強化を盛り込んだ政策を提言。

こうした主張が実り、5月、児童扶養手当法の改正が実現。8月から第2子以降への加算額が引き上げられることになった。


公明が政治を前へ動かした


公益財団法人あすのば 子どもの貧困対策センター 代表理事 小河光治

子どもの貧困対策にとって、最も重要だった児童扶養手当の拡充をリードしてきた公明党に本当に感謝している。

児童扶養手当は、ひとり親家庭の"命綱"だ。今回の拡充内容をみると、第2子の引き上げは、1980年以来36年ぶりで、第3子以降の引き上げも22年ぶり。2人以上の子どもを抱えている家庭にとって、生きる希望につながり、大きな救済になると思う。

日本のひとり親世帯の貧困率は、経済協力開発機構(OECD)の中で「最悪」といわれている。だからこそ児童扶養手当の拡充は急務だっだが、なかなか前進しなかった。政府が一昨年8月に「子供の貧困対策に関する大綱」を閣議決定したが、児童扶養手当の拡充は盛り込まれなかった。

その後、政府・与党の中で公明党がリードし、政治を前へ動かし、盛り込まれていない施策を実現させたのは異例中の異例だ。

今後は、児童扶養手当を受給する家庭の6割を占める、子ども1人の世帯の増額やベースアップをはじめ、支給対象年齢を18歳から20歳まで拡大するなどして、貧困の連鎖をぜひとも断ち切ってほしい。


【児童扶養手当】
ひとり親家庭などで育つ子どもへの経済的支援策として、1961年からスタート。受給対象期間は子どもが18歳に到達した最初の3月31日まで。受給者数は、2015年度末に105万8231人となっている。このうちシングルマザーは95万2477人に上る。改正児童扶養手当法が5月に成立し、第2子の加算月額は現行の5000円から最大1万円へ、第3子以降も現行の3000円から最大6000円へ倍増した。

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