e中央幹事会での山口代表あいさつ(要旨)

  • 2016.06.03
  • 情勢/経済

公明新聞:2016年6月3日(金)付



消費税引き上げ延期 政権の経済政策を加速



安倍晋三首相が5月30日の自公党首会談で、来年4月の消費税率10%への引き上げを2年半延期し2019年10月にしたいと提案した。党として協議し、首相の意向を基本的に尊重する、与党として結束して政権を支えていくことで対応を一任され、その旨を1日の党首会談で伝えた。これを受けて、首相が記者会見し、国民に再延期の理由などを(次のように)丁寧に説明された。

これまでは、リーマン・ショックや東日本大震災のような重大な事態が発生しない限りは、法律通り消費税率を引き上げると言ってきた。しかし、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を機に「新しい判断」をした。なぜ変更したのかは、サミットのG7(先進7カ国)首脳宣言にうたわれた通り、世界経済が(下方)リスクに直面し、需要が低迷している、成長が減速してきている。ここをよく見た上で、危機回避のために、G7各国があらゆる政策をとっていくべきとし、わが国として財政出動、また成長政策と構造改革もやっていく。

消費増税についても需要を妨げる意味では延期する。そして、アベノミクスは成果を上げ成功してきたが、道半ばなのでより一層エンジンを吹かせて進めていく。その上で2年半後に消費税率を10%へ引き上げる。その際は軽減税率を実行する。

これまでの約束とは異なる判断に対する批判を真摯に受け止め、「新しい判断」について国民の審判を仰ぎたい。(衆院選との)同日選挙ではなく、夏の参院選で審判を仰ぎたい。何が争点かと言えば、アベノミクスをさらに進めて加速させていくか、それとも後戻りするかの是非だと明快に述べられた。

国民の審判を仰ぐからには、与党で改選議席(121)の過半数(61議席)を取ることが勝敗ラインで、判断の基準となることも明確にした。しかし今、自公の改選議席(自民50、公明9)では過半数を持っていない。選挙協力をしながら、国民に誠実に丁寧に訴えて過半数を確保することが与党の目標となる。

公明党としては、選挙区7と過去最高に挑戦し、比例区6以上を何としても確保することが国民の信任を得ることになる。

首相発言には、秋以降に経済対策を総合的で力強いものにしていくとある。われわれとしては、政策目標として優先順位を付け、しかるべき財源を確保する。首相が言うように赤字国債を発行しない前提で、財源を確保し政策を推進、実現していく。

野党との主張の違いは、先に否決された内閣不信任案の議論でも、昨日の首相会見でも明確だ。首相は社会保障と税の一体改革について、社会保障を将来の世代にきちんと引き渡す。財政の健全化についても内外の信認を保ち、2年半後にきちんと10%への引き上げを実施する。そして、2020年のプライマリーバランスの黒字化目標を守っていくと明確に述べていた。

民進党は党首討論などで赤字国債を発行すると言っている。社会保障と税の一体改革の大きな意義と矛盾している。アベノミクスは失敗したと言うが、雇用は増え、有効求人倍率が増加し、所得も税収も増えている。この事実は否定されるものではない。

その上で、これからアベノミクスの恩恵が十分に及んでいない人々、地方、企業、家計に効果を及ぼしていくことが目標になる。

参院選の日程は6月22日(水)公示、7月10日(日)投票と首相から明確に示された。一瀉千里、結束して勝利していきたい。

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