e議員立法の成立遅らせた民共

  • 2016.06.06
  • 政治/国会

公明新聞:2016年6月6日(月)付



「合意形成」より「選挙」優先



1日に閉会した第190国会は、政府が今国会に提出した閣法の成立率が約90%に上ったほか、20本の議員立法が成立した実りある国会となった。一方、国会終盤では、民進党が参院選へ共闘を深める共産党との協調を優先し、与野党で提出した議員立法の成立を阻んだ場面が多く見られた。

例えば、自民、公明、民進、おおさか維新の与野党4党が衆院に提出した、フリースクールや夜間中学校など児童・生徒の学校外における多様な学びを支援する「教育機会確保法案」。

同法案は、反対する共産党などを除き、超党派で進めてきたものだが、民進党が突如、全会一致での成立を条件に求め、態度を一転させた。その理由は「夏の参院選をにらみ、野党共闘の足並みをそろえるため、共産・社民両党が賛成しない同法案の成立は先送りした方が得策だと判断したという」(5月18日付「朝日」)と報じられた。

同様に、子どもの貧困対策や若者支援など民間の公益活動へ"休眠預金"の利用を可能にする「休眠預金活用法案」も、成立がかなわなかった。

さらには、全党一致の議員立法で提出予定だった政治分野への女性の参画と活躍を進める法案を、民進、共産両党などが勝手に衆院に共同提出。同法案は、民進党議員が会長を務める超党派議員連盟で議論を重ねて合意していたもの。まさに"抜け駆け""だまし討ち"であり、公党間の約束を守れない両党には、政党としての「信義」すら欠けている。

民進党が「共闘頼みとなるあまり、政策の軸足が揺れ動くようでは問題」(同30日付「毎日」)と指摘されているように、同党の政策判断が共産党に引っ張られ、国会の合意形成を遅らせてしまう。これでは、民共連携は国民にとって"百害あって一利なし"だ。(正)

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