eアレルギーの人も安心
- 2016.06.09
- 生活/生活情報
公明新聞:2016年6月9日(木)付
食品会社が備蓄用缶詰
兵庫・丹波市に寄贈
兵庫県丹波市産のシカ肉を使い、食物アレルギーを持つ人も安心して食べられる備蓄用缶詰を神戸市の食品会社が開発し、このほど丹波市に寄贈した。低アレルゲンの非常食では、タンパク質が豊富な副食の種類はまだ少ない。同市防災係は「主食のコメはほぼ整っているが、おかずが不足していた。災害時に役立てたい」と話している。
寄贈したのは、食品製造販売会社「ジェイ・インターナショナル」。同社の山本春雄代表取締役から、相談を受けた市議会公明党の田坂幸恵、藤原悟の両議員が、同市との間を橋渡しした。辻重五郎市長に手渡された備蓄用缶詰は、「和風肉じゃが」と「かぼちゃのそぼろ煮」の2種類で計96缶。
アレルギー症状を引き起こしやすい「特定原材料」などには、牛、豚、鶏肉を含む27品目が指定されている。同社は大阪府立大学と連携し、食物アレルギー患者に対応した「おかず缶詰」を開発。原材料として野生のシカに着目し、同市氷上町のシカ肉加工会社「丹波姫もみじ」(柳川瀬正夫代表取締役)の協力を得ながら、試行錯誤の末に製品化を果たした。4月からインターネットで販売しており、熊本地震の発災後には、熊本県庁にも贈った。
山本社長は「避難所で保護者や子どもが、アレルギーを起こす食材を取り除いていると、周囲から好き嫌いなどと誤解され、肩身の狭い思いをする」とした上で、「アレルギーに対応した非常食を提供するとともに、獣害対策で捕獲されるシカ肉の有効利用にもつながれば」と語った。