e受給者から喜びの声 高齢者向け給付金
- 2016.06.09
- 生活/生活情報
公明新聞:2016年6月9日(木)付
申請はお済みですか?
賃上げの恩恵が及びにくい低所得の高齢者を対象に、1人3万円を支給する臨時福祉給付金(年金生活者等支援臨時福祉給付金)。対象者は約1130万人に上る。公明党が強く推進してきたもので、今年前半の景気を下支えする狙いもあり、6月末までに支給するように準備を進めてきた。給付金を受け取った人から喜びの声を聞いた。
「自宅のトイレを改修」「孫のため」「家計の助け」
「一緒に住んでいる家族みんなのためになることに使いたかった」。兵庫県相生市に住む坂口ヒフミさん(83)は笑顔で語る。配送業を営む息子の昌宏さん(61)、洋子さん(56)夫妻らとともに暮らす。24年間、鉄工所に勤務。数年前に夫を亡くし、現在は年金生活を送る。
給付金はテレビのニュースで知った。3月中旬、市役所から申込書が郵送されてきた。使い道を思案した末、トイレ改修費用に充てることにした。築36年の自宅のトイレは、和式の便器を一段高い床に設置しているタイプで、腰に負担が掛かりやすかった。改修は、腰掛けられる洋式便座などを和式便器にかぶせるもの。改修費用は取り付け作業の一部を昌宏さんが行ったこともあり、総額4万5000円程度。改修費用の約3分の2を給付金で賄った。「給付金が改修のきっかけになりました。感謝しています」と昌宏さんは語る。
公明が推進 対象者1130万人
「今回のお金は、2人の孫のために使いたいと思います」と話すのは、埼玉県蓮田市に住む齋藤和子さん(78)だ。
3年前、2人の孫はそれぞれ大学、高校の進学時期だったが、齋藤さんは「孫のために何も応援できなかった」と悔やむ。当時、夫が胃がんを患い、2度の手術を受けるなど闘病生活を送っていた。齋藤さんは夫に寄り添い続けていたのだ。「給付金の受け取りが分かった時、当時のことを思い返した」という齋藤さん。勉学の足しになればと、現在、大学3年、高校3年になった孫に渡すことにしている。
愛知県常滑市に住む小木曽君代さん(76)は、22年前に夫を亡くし、現在一人暮らし。生活は、自身の年金と県内に住む息子からの援助で成り立っている。
4月中旬に市役所から申請書が入った封筒が届いた。給付金の申請書には、すでに住所、氏名、2015年度臨時福祉給付金で振り込まれた金融機関の口座番号などが記載済み。確認のチェックを入れ、印鑑を押して返送するだけだった。5月末に口座に振り込まれた。「手続きがとても簡単でした。給付金は家計の助けとして、生活費に充てています」と小木曽さんは語る。
これらの自治体は、いずれも受給対象者の申請率が約9割に上っている。未申請の住民に対しては、再度、給付金の申請を促す封筒を発送する。市担当者は「非常に関心が高い。大きな経済効果を期待している」と語っている。
6月末までに 全市区町村で支給開始
今回の給付金の受給対象者は、(1)2015年度分の住民税(均等割)が非課税(課税者の扶養親族や生活保護受給者などを除く)(2)16年度中に65歳以上になる(誕生日が1952年4月1日以前)――の両方を満たす人。年金を受給していなくても、要件を満たしていれば支給される。申請先は2015年1月1日時点で住民票がある市区町村となる。
厚生労働省が全国の自治体に聞き取りを行ったところ、給付金支給は5月末までには約5割、6月末までにはすべての市区町村が始める。厚労省では、まだ申請していない人に向け、再勧奨のため、5月末から6月中旬にかけて、新聞広告などPR活動を強化するとともに"振り込め詐欺"や"個人情報の詐取"への注意を呼び掛ける。
公明党は昨年11月、1億総活躍社会の実現に向けた提言で「低年金受給者にアベノミクスの成果が波及する取り組みを」と、安倍晋三首相に要請。15年度補正予算に、1人3万円の高齢者向け臨時福祉給付金が計上された。
詳しくは...
■厚労省特設ホームページ http://www.2kyufu.jp/
■厚労省相談窓口 (専用ダイヤル)0570-037-192 ※受付時間は午前9時~午後6時