e野党の候補一本化 国の将来像や基本政策どうする

  • 2016.06.09
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年6月9日(木)付



参院選の公示(6月22日)まで2週間を切った。

今回の参院選は、政府・与党の経済政策、いわゆるアベノミクスを加速させるのか、後退するかの是非が最大の争点になる。自公政権の経済運営によって、賃金が3年連続で増加、有効求人倍率は24年ぶりの高水準に達するなど、景気は着実に改善している。ただ、その恩恵は地方や中小企業、家計にまで十分に届かず、道半ばにある。

消費税率の10%への引き上げを2年半延期する間に、どうすれば景気回復の力強さが増すか。各党が選挙戦で処方箋を示して、有権者の判断を仰がなければならない選挙だ。ところが、野党側は増税時期の再延期をアベノミクスの失敗と決めつけるだけで、肝心要の代案を提示しない。

民進、共産、社民、生活の野党4党は、32ある改選1人区の全てで候補者を一本化して選挙戦に臨む構えだ。しかし、共産、社民の両党は消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)そのものに反対だが、民進党は前身の民主党政権当時、増税やTPPの交渉入りをめざした。

さらに、4野党は「平和安全法制」関連法の廃止で一致というが、わが国の防衛の根幹である日米安保体制や自衛隊に対する政策が全く違う。税と安全保障だけでも、野党の候補一本化は国民に対して無責任なパフォーマンスと言うほかあるまい。

マスコミから、「基本政策が大きく異なる民進、共産両党の連携は、選挙目当ての『野合』批判を免れない」(読売・社説 3日付)という指摘が出るのは当然である。

少子高齢化の進展により政策選択の幅が狭まっている中で、野党4党が一本化した候補が国の将来像や説得力ある基本政策を有権者に示すことができないとすれば、それこそ政党として極めて無責任な姿ではないだろうか。

自民、公明の両党は、政権を奪還してからの3年半、外交・安全保障、税制、エネルギー政策など、国の針路につながる政策課題でも徹底して議論を重ねて解決策を見つけ、合意形成を進めてきた。力強い景気回復は、安定した政権基盤の下で経済対策を機敏に打ち出す自公政権の手によるしかない。

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