e公明党の平和外交 「対話の力」アピールしたい
- 2016.06.15
- 情勢/国際
公明新聞:2016年6月15日(水)付
国と国との外交交渉は政府の仕事だが、場合によると身動きが取れなくなり、交渉が困難になる状況に陥ることもある。
そこで、各国が立場の違いを乗り越えられるよう、冷静に話し合える"対話の場"を設け、数多くの紛争を解決したことで有名なのが第2代国連事務総長を務めた故ダグ・ハマーショルド氏である。死後、ノーベル平和賞を受賞した。
政府間で対話できない状況でも外交を前に進める環境を整える。公明党は与党として、その役割を果たしてきた。
現在の日中、日韓関係の大幅な改善への道筋を付けたのも、公明党である。
一時期は、領土問題や先の大戦をめぐる歴史認識などで対立し、日中、日韓関係はかつてないほど冷え込んでいた。対立が先鋭化した2012年以降、3年半もの間、日中韓首脳会談が開かれないという深刻な異常事態に直面していた。
この状況を打開するため、山口那津男代表は昨年10月、中国の習近平国家主席、韓国の朴槿恵大統領と相次いで個別に会談し、安倍晋三首相から託された親書を手渡すとともに、首脳会談の開催を提案した。これが契機となり、同11月に、日中韓首脳会談が韓国の首都ソウルで開催された。日中韓は首脳会談の定例開催でも合意している。
日本国際問題研究所の野上義二理事長は「与党の党首が直接首脳に意見を伝えるという意義は、非常に大きい」と高く評価している。
「核兵器のない世界」に向けたオバマ米大統領の歴史的な広島訪問も、公明党が米国の要人らとの対話を通し、実現を働き掛けてきたものであることも強調しておきたい。
公明党は、ジョン・ルース、キャロライン・ケネディの両歴代駐日米大使に大統領の被爆地訪問を要請してきたほか、13年には山口代表が訪米し、「被爆地の方々は、ともに『核兵器のない世界』をめざそうという大きな願いから訪問を望んでいる」との大統領への伝言を、キッシンジャー元米国務長官に託した。
参院選の公示日(22日)が目前に迫る。公明党の「平和外交を進める対話の力」をしっかりアピールしていきたい。