e舛添知事の辞職 都政混乱させた公私混同は重大

  • 2016.06.16
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年6月16日(木)付



政治資金の私的流用や公私混同問題、公用車での別荘通いなど、数々の疑惑で都民の強い批判を受けていた東京都の舛添要一知事の辞職が決まった。

各種世論調査で都民の8割超が辞職を求める中、信用が地に落ちた舛添氏が知事であり続けることは到底許されない。

舛添氏の疑惑追及は、都議会代表質問、一般質問、総務委員会での一問一答と手続きを踏んで行われた。都議会公明党は、質疑に当たり独自の調査をもとに追及し、きちんとした説明責任を果たすよう求めてきた。しかし、舛添氏の答弁は不信感を拭えるものではなく、公明党は14日に不信任決議案を提出。15日には自民党を含む都議会全会派の不信任決議案が一本化され、可決される見通しとなったことを受け、舛添氏が辞職を決断するに至った。

それにしても、政治資金の支出をめぐる舛添氏の公私混同ぶりは目に余るものだった。「違法性はないが不適切だった」などとかわそうとしてきたが、問われたのは、高額な海外出張費や家族旅行のホテル代を会議費用として扱うなど庶民感覚から懸け離れた公金の使い方だ。

また、舛添氏の資金管理団体の政治資金収支報告書には、他団体から美術品をもらい受けたことの記載がない。これは政治資金規正法上、不記載に当たる問題である。新党改革から舛添氏に支出された1050万円にも上る使途不明金問題も見過ごすことはできない。

災害被災地を軽んじる姿勢にも強い憤りを禁じ得ない。

昨年9月、茨城県で鬼怒川が決壊し、都内の一部でも避難勧告が発令された豪雨の最中も、舛添氏は公用車で神奈川県湯河原町の別荘に訪れたことが明らかになっている。

さらに都議会公明党は、東日本大震災の被災地訪問を再三求めてきたが、「時間がない」などと言い訳し、一向に足を運ぼうとしなかった。年間49回も別荘に通っていたにもかかわらずだ。

都政は今、トップリーダーが、都民や都職員、議会からの信頼を失い、混乱の極みにある。一刻も早く議会の停滞を打開し、都政への信頼回復を図らなければならない。

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