e山口代表の参院選第一声(要旨)

  • 2016.06.23
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年6月23日(木)付



経済再生・デフレ脱却


雇用が大きく改善、21兆円の税収増など3年余で着実な成果

3年前の参院選で、私は「安定は希望です」と訴えました。皆さまの力を頂いて、衆参のねじれを解消し、政治を安定させることができました。そして、この3年余り、われわれは経済再生、デフレ脱却をめざして、着実に結果を出してまいりました。

皆さま、雇用が改善されたではありませんか。高校生の就職率は24年ぶりに高い水準となりました。大学生の就職率も過去最高になったではありませんか。

正規雇用の人も昨年は26万人も増えました。有効求人倍率は、すべての都道府県で「1」を超えるところまで上昇しました。確実に雇用は改善されました。さらにこの3年間、ベースアップが連続して続いているではありませんか。

野党は、「実質賃金が上がっていない」と言っている。しかし、昨年7月から、賃金の上昇が、物価を上回って、実質賃金が上がるようになってきた。ここ3カ月連続で、実質賃金が上がっている。この結果は、税収に反映され、国と地方を合わせて、21兆円もの税収増の結果を出したではありませんか。

われわれは経済再生、デフレ脱却の結果が出ているということを、率直に見なければならない。こう訴えています。党首討論を19日と昨日(21日)、合計6回やりました。やればやるほど、「安定の自公が大事」「混乱の民共には任せておけない」。それがはっきりしてまいりました。

税収増21兆円、この中には、消費税8%への引き上げで増えた8兆円も含まれています。しかし、それを除いても13兆円の税収増です。共産党の志位さんは、「たった13兆円だ」と言うが、とんでもない。皆さまが汗水流して働いて、企業とともに納めた税収が、実質13兆円伸びた。立派な結果ではありませんか。

これから大切なことは、まだアベノミクスの成果が及んでいない人々に、きちんと分けていくことです。そして今、世界経済の状況が予断を許さない。だからこそ、日本の経済をますます強くして、再生を進めてまいります。野党は、説得力のある経済対策を何も示していません。私たちは、これまでの成果を生かして、例えば、社会保障の充実に向けていく。若者や女性がもっと活躍できる社会の基礎を築く。そのためには、介護や保育の受け皿を増やし、そこで働く人々の処遇改善も進めていく。それが私たちのめざす方向です。

成長と分配の好ましい循環をつくりだす。これが、これから公明党が進める日本の道であります。どうか、皆さまのお力をお貸し頂きたいのであります。

思い出してください。「一度やらせてみたら」。そういう声に押されて、かつて、民主党政権ができました。しかし、結果はどうでしたか。経済は無策、震災の対応は後手に回る、議論ばっかりしていて決められない政治。もうそんな政治は、まっぴらごめんです。


成長の実感を地方、家計に届ける

私たちは、公明党が連立政権の中にいることが大切だと申し上げてまいりました。時に、行き過ぎないように歯止めをかける。やるべきことはどんどん加速してスピードアップさせる。昨日の党首討論でも、安倍首相に私は申し上げた。

「確かに、アベノミクスは結果を出してきた。ただし、まだ道半ばです。だから、これからはその成果の実感が地方にも、中小企業にも、家計や個人にも届くようにしていこう。『希望が、ゆきわたる国へ。』をつくっていこう」と。

そういう意味で、「アベノミクスの効果が及んでいない、例えば年金受給者です。保険料を10年間支払ったけれども、しかし25年には届いていない。そういう人には受給資格がないから、年金がもらえない。この無年金の人たちにも、アベノミクスの効果を及ぼして、資格を与えるように対策をとらなくてはいけないのではないですか?」

そう申し上げました。

安倍首相は「それは深刻で重大な問題です。喫緊の課題だから、予算編成の中で財源を見つけて、実現できるよう、力強く進めていきたい」。そう答えたではありませんか。

消費税率の引き上げは、2年半延期をさせていただくことにしました。国民の皆さまの6割近い方々が、良かったと胸をなで下ろしています。一方で、これからの財政再建、社会保障はどうなるか不安だという声も強いわけです。だからこそ、この2年半の間、やるべきことは財源を見つけて可能な限り進めていく。そして2年半後には、消費税率を10%に上げられる環境を整えて引き上げを実行する。

その際には、法律で制度の中に組み込まれた軽減税率を実施する。これが、連立政権の皆さまに対する約束であります。


公明党の「三つの力」


国と地方の議員が力を合わせネットワークで政策を実現


小さな声を聴く力

公明党の良いところは、皆さまの声をしっかり受け止めて、国会議員と地方議員がネットワークを生かして政策を実現していく。そういう小さな声を聴く力があるということです。

先の通常国会でも、熊本地震によって住宅ローンで建てた家が倒壊し、借金を背負っている被災者が、受け取った義援金を金融機関に差し押さえられる恐れがあるという問題がありました。「何とかしてほしい」という声を受けて公明党は直ちに、自民党に呼び掛け、他の野党の理解も頂いて、差し押さえを禁止する法律をスピード成立させることができました。


生活実感に根差した政策実現力

生活実感に根差した政策を実現する力も公明党にあります。今、若い皆さまが活躍できるように、返さなくてよい給付型の奨学金をつくっていこうとしています。政府は厳しい対応でした。しかし、政府の方針に、給付型奨学金の創設をはっきりと盛り込ませました。公明党が「必ずつくるべきだ」と訴えて、「創設」という言葉が明記されたではありませんか。

公明党は、きのうきょう、これを訴えたわけではありません。半世紀も前から、給付型奨学金をつくるべきだと主張してきました。ぜひとも、これを実現していきたいと思います。

無利子奨学金、収入に応じて柔軟に返すことができる所得連動の奨学金も増やして、とにかく学びたいという意欲のある人が、奨学金を受けられる仕組みを完璧に整えたい。これができるのは、公明党がいるからであります。


平和外交を進める力

公明党は、中国や韓国と独自の交流を続けてまいりました。お互いの信頼関係もあります。率直に物事を話し合うことができる。

民主党政権で、中国や韓国との関係が悪くなりました。自公連立政権が発足して、すぐさま私は中国に赴いて、習近平、今の国家主席に会い、安倍首相の親書を届け、関係改善を強く訴えました。

昨年、平和安全法制が成立した直後にも、韓国に行って朴槿恵大統領に会い、さらにその足で中国に行って、習近平国家主席にも会って、安倍首相の親書を届け、日中韓の首脳会談を早く開いて、互いに関係を改善し、力を合わせていくべきですと強く訴え、その半月後に首脳会談が実現したわけであります。

オバマ大統領が広島を訪問しました。公明党は歴代の駐日米大使にオバマ大統領が広島、長崎の被爆地をぜひ訪問すべきである、大使から要請してもらいたい、こう呼び掛けていた。3年前に私が米国に行ったときも、米国の核政策をかつて担ったキッシンジャー元国務長官に、「オバマ大統領にお伝え下さい。広島・長崎を訪問するように」と、こう強くお願いをいたしました。(キッシンジャー氏は)「必ず伝えます。決めるのはオバマです」と、約束して下さり、今回の訪問が実現したわけです。

一貫して核兵器の廃絶を訴えてきた公明党が、対話で突破口を開くように働き掛けて、結果が実現する。公明党が平和外交の力を持って、連立政権の中で活躍することが重要なのであります。


無責任な民進・共産の"野合"


憲法、消費税など見解バラバラ。責任ある政治の姿を示せず

今回の参院選は、憲法改正が争点だという人たちがいます。しかし国会では、十分な議論、何らの合意もできず、皆さまに選択肢をお示しするような状況には至っていません。

自民党は結党以来、憲法改正、憲法は自主的に日本の国民がつくるべきだと訴えてきた政党です。党の総裁が、党の目標をいうのは、ある意味で当然です。しかし実際に国会が国民の皆さまに発議するためには、衆議院でも参議院でも総議員の3分の2以上の合意が形成されなければなりません。まだ、とてもそこに至る状況ではない。

憲法改正は、国会だけが発議できます。政府ではありません。いかに安倍さんといえども、総理大臣の立場で憲法改正を訴えることはできません。憲法には、内閣、そして大臣は憲法を尊重し擁護する義務があると、しっかり書かれているからです。改正の議論ができるのは、国会議員や政党です。

だから必要なことは、憲法改正についても、しっかり国会で議論を深め、国民の皆さまの理解を得られるようにして、さらに、もっと言えば、国民の皆さまの方から、憲法のここを、このように変えた方がいい、そういう声が湧き上がってきたときに、初めて国会での発議が整っていく。私はそういう順番ではないかとさえ思っています。

それを「憲法改正をやろうと企んでいる」と、そういうレッテルを貼ろうとしている民進党こそ、党内で憲法についての考え方がバラバラで、その批判をかわすために、自民党を非難している。そう思えてなりません。そういうことを言う前に、民進党は自分の党の中をちゃんとまとめて、説得力のある政権構想を出したらどうですか。

共産党は「国民連合政府をつくるべきだ」「次の総選挙までにやろう」と民進党に呼び掛けている。「岡田さん、どうですか」と聞いたら、「そんな考え方は今、持っていない」と拒否している。選挙の後に、政治にどう責任を持つか、国民にそういうことを全く明らかにしないで、やれ統一候補だ、なんだと言っている民共に、これからの政治を任せるわけにはいかないのであります。

共産党は、自衛隊は憲法違反だと昨日も言いました。憲法違反の法律は全部効力がない、無効です。しかし選挙で自分たちが勝ったら、自衛隊は災害派遣や、あるいは武力攻撃を受けたときに、自衛権を発動するんだ、そういうことを平気で述べている。憲法違反の自衛隊にそういう仕事をさせていいのか。全くの自己矛盾ではありませんか。自衛隊を動かすための法律は無効だと言っているのに等しいのに、超法規的に自衛隊を動かすというのであれば、それは全く、彼らの言う"立憲主義"に違反していると言わざるを得ないと思います。こんな中途半端で矛盾だらけのことを言ってはばからない人たちに、これからの政治を任せるわけにはいきません。

消費税についても、共産党は「消費税は廃止だ」と言ってきました。しかし昨日、岡田さんは、消費税を2年後に上げるべきだ、消費税について共産党との間で、何らの合意もない、一致もない。そうはっきり述べている。具体的な社会保障を担う消費税について、何らの合意もない民共に1票も与えてはならないと思います。

政策の一致もない、ただ選挙の時だけ野合する、選挙の後に責任ある政治の姿を示せない。そんな民共に負けるわけにはいかない。どうか実績ナンバーワンの公明党を皆さまのお力で勝たせてください! 押し上げてください! 何とぞよろしくお願いいたします。

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