e民進・共産では政治が混乱

  • 2016.06.27
  • 情勢/解説

公明新聞:2016年6月27日(月)付



参院選は中盤に入るが、選挙協力をする民進党と共産党の主張の違い、政策の不一致はますます際立ち、民共では政治が混乱することが明らになってきた。民共の野合ぶりを、安全保障、外交、憲法についてまとめた。


安全保障


戦争法とのレッテル貼りで不安あおる

平和安全法制を民進党は"違憲"と批判し、共産党は"戦争法"だといって両党とも「廃止」を求めています。

特に共産党は、「廃止」の一点で野党がまとまって「国民連合政府」をつくるべきだと訴えています。

憲法9条が禁じる武力行使はもっぱら他国防衛を目的とする集団的自衛権の行使であり、日本を守る専守防衛のための武力行使は許容されると政府は解釈してきました。平和安全法制も専守防衛の範囲内であり、他国防衛をする"海外での武力行使"は認めていません。

そもそも共産党は自衛隊違憲であり、民進党は合憲です。こうした根本的な違いを隠すため、"戦争法"とレッテルを貼って国民の不安をあおり、まともな安全保障論議から逃げています。


専守防衛守った公明

公明党は、北朝鮮の核や弾道ミサイルなど日本を巡る安全保障環境の厳しさを認識し、どのような事態にも日本の安全を隙間なく守るためにはどうすべきかを真正面から議論しました。

その結果、専守防衛を目的とする自衛隊の武力行使の限界を「自衛の措置の新3要件」としてまとめ、平和安全法制の中に明記させました。これにより、日本の存立が脅かされたときに日本防衛のために活動中の外国部隊を守ることが可能となり、日本の安全を高めました。


外交


TPPの対応で迷走続ける

現在の重要な外交テーマであるTPP(環太平洋連携協定)について、民進党は「今回のTPP合意に反対」を掲げ、共産党も「TPPに断固反対」と訴え、一見、歩調が合っているように見えます。しかし、そもそもTPPの交渉開始に道筋を付けたのは民進党です。一方、共産党はTPPそのものに反対であり、立場は正反対です。

平和外交でも、日米同盟を守る民進党と日米同盟解消をめざす共産党では、合意をまとめようがありません。


中韓で行動した公明

民共のように国際協調や平和は、口で唱えるだけでは何も進みません。具体的な行動で成果を上げることが必要です。

公明党は民主党(当時)政権時代に悪化した日中、日韓関係を改善することがアジアの平和に不可欠として、山口代表が両国首脳と会談をするなど積極的に行動をしました。その結果、ようやく改善に向け動き出しています。


憲法


争点化めざすも主張は"改正反対"だけ

民共は、改憲勢力の拡大を阻止するなどと言って憲法を参院選の主要争点にしようと躍起です。しかし、改正を発議する国会でどの条文をどう改正するかといった具体的な議論のないまま、ただ、「安倍政権下での改正は許さない」といった訴えでは国民は戸惑うばかりです。

憲法観は政党の基本理念です。共産党は日本記者クラブ主催の党首討論会(21日=都内)で、志位委員長自身が自衛隊について、当面、違憲の自衛隊を防衛や災害では使うなどと発言し、立憲主義を軽んじる姿を露呈しました。民進党の岡田代表は「いま共産と連立政権を組むことは、理念・政策が違う以上は無理だ」と明言しました。

これにより、民共協力が選挙目当ての野合であることがはっきりしました。


国会論議重視の公明

公明党は、国民主権主義、基本的人権の尊重、恒久平和主義の3原理を骨格とする憲法を、優れた憲法だと評価しています。その上で、新時代に対応した改正があってしかるべきとの立場です。

今後、憲法改正しか解決方法がないような課題が明らかになる可能性もあります。その際は、現行憲法を維持した上で、改正すべき新たな条文を付け加える"加憲"をめざしますが、改正の発議は国会の役割です。与野党による国会論議を重視します。


連立政権と憲法 山口代表の見解
与党というのは政府、つまり行政府を運営するための政党の枠組みだ。われわれ自公政権は、政府がやるべき政策の優先順位や、主要な政策分野にわたって合意を結んで、取り組んでいる。
憲法の問題は、政府の課題ではない。政府は憲法順守義務を負う閣僚によって構成されていて、憲法改正は国会にのみ発議権がある。だから、立法府の課題であって、国会に所属する政党が、与党も野党もなく、それぞれが議論を深めて合意形成し、発議に至るものだ。(日本記者クラブ主催の「党首討論会」で=21日)

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