e英国のEU離脱 危機回避へ政策総動員
- 2016.06.27
- エンターテイメント/メディア
公明新聞:2016年6月27日(月)付
財政出動で内需拡大も
討論番組で石田政調会長
公明党の石田祝稔政務調査会長は26日午前、与野党の政策責任者と共に、フジテレビ系「新報道2001」とNHK「日曜討論」に相次いで出演し、英国の欧州連合(EU)離脱決定による内外の経済への影響を最小限に抑え、危機を回避するために、政策を総動員すべきとの考えを示した。
席上、石田政調会長は、「国際協調という立場から、各国の中央銀行間の通貨スワップ(交換)取引で(市場に資金を供給して)流動性を確保しつつ、やれることは全てやる。秋には臨時国会が予定されており、大幅な財政出動で内需を盛り上げることも大事だ」と強調。日本と英国やEUの間の貿易に与える影響に対しては、実際に英国がEUを離脱するまでの間に「しっかりと対策を取ることが必要だ」と指摘した。
さらに、安倍晋三首相が議長を務めた5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で、世界経済の「深刻なリスク」とする首脳宣言が採択されたことに関して、今回、英国のEU離脱が決まったことから「首相が心配していたことが現実になった」と指摘。首相が世界経済のリスクなどを踏まえて消費税率10%への引き上げを再延期する方針を示したことには、「今見れば、いい判断だ」と述べた。
また、消費税率10%への引き上げによる増収分で実施される予定だった社会保障の充実策のうち、年金受給に必要な加入期間を25年から10年に短縮する無年金対策については、早期実施へ「何とかしなくてはいけない」と力説。安倍首相が「前向きに検討していきたい」と明言していることを踏まえ、野党側に対し「(実施には)法改正が必要なので、ご協力いただきたい」と要請した。
防衛費は「人を殺す予算」
共産党の政策委員長が問題発言 与野党が撤回要求
共産党の藤野保史政策委員長は26日のNHK番組「日曜討論」で、防衛費について「人を殺すための予算」と発言し、与野党の出席者から発言の撤回要求が相次いだ。
藤野氏は、2016年度予算の防衛費に関連して「人を殺すための予算ではなくて、人を支えて育てる予算を優先することが必要だ」と述べたことから、公明党の石田祝稔政務調査会長は「取り消した方がいい。『人を殺すための予算』だと(の発言)は大問題だ」と糾弾。自民党の稲田朋美政調会長も「言い過ぎだ。(防衛費は)日本を守るためのもの」と反論した。
野党出席者からも「政治家の発言としてまずい」(日本のこころを大切にする党)、「訂正した方がいい」(おおさか維新の会)との声が上がったが、藤野氏は応じなかった。
共産党幹部の問題発言に対して、公明党の山口那津男代表は同日、埼玉県内での街頭演説で「耳を疑った。自衛隊はこれまで外国で1人の命も奪ったことはない。それどころか、(大震災や豪雨被害で)命懸けで人の命を助けてきた。とんでもない発言だ」と批判した。