e中小企業支援 成長加速へ経営強化策さらに
- 2016.07.01
- 情勢/解説
公明新聞:2016年7月1日(金)付
自公政権が進めてきた経済政策は、日本経済を着実に再生へと導いてきた。今後、さらなる成長への大きな鍵となるのは、中小企業の振興ではないか。
国内企業の約99%が中小企業であり、そこには全労働者の7割に相当する約3360万人が働いている。日本経済の屋台骨を支えているのは、中小企業にほかならず、ここに「成長の果実」をゆきわたらせる必要がある。
当面、英国のEU離脱決定による国内経済、とりわけ中小企業への影響が懸念されている。安倍晋三首相は、あらゆる政策を総動員する考えを示し、公明党の山口那津男代表も総合的な経済対策の策定に言及している。影響を最小限に抑えるため、政府・与党は全力を注いでもらいたい。
その上で、経営基盤の強化に取り組む必要がある。
2015年度、賃上げを行った中小企業の割合は上昇したが、賃上げの原資となる収益が十分確保できない中小企業は少なくない。大企業との下請け取引で、不利な条件に立たされがちだからだ。
立場の弱い中小企業が取引先との関係悪化を恐れ、低価格での取引を余儀なくされる状況は、改善すべきである。
公明党は参院選重点政策で、中小企業がきちんと利益を確保できるよう適正な取引を促す「下請けガイドライン」の拡充など国の取り組み強化を掲げている。適正価格による取引慣行を産業界全体に定着させ、賃上げの環境整備にもつなげていきたい。
さらに、専門家による相談体制の強化を通じた経営力向上計画の作成や、海外展開をめざす企業への支援体制の構築などを重点政策に盛り込んでいる。意欲ある企業の成長を支援していく取り組みだ。
公明党には、現場のニーズ(要望)を反映した中小企業支援の実績が数多い。事業承継税制の拡充や、ものづくり補助金の創設、資金繰り支援などが代表例であり、「われわれ経営者と同じ目線に立ってくれるのも、他党にはない大きな魅力」(東京商工会議所特別顧問・神谷一雄氏)と評価されている。
中小企業と、そこで働く人に光を当てた施策の実現をめざし、公明党は全力を尽くしていく決意だ。