eコラム「北斗七星」

  • 2016.07.12
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年7月12日(火)付



東京の原宿と言えば、誰もが知る若者の街。だが、これからの季節、原宿駅のホームに立つと、繁華街とは反対側に広がる神宮の森から時折、「カナカナカナ...」とヒグラシの鳴き声が聞こえてくる。大都会の真ん中でこんな自然の音色を耳にすると、何か得をしたような気持ちになる◆この森の造営に携わった本多静六は、日本初の林学博士で「日本の公園の父」とも呼ばれている◆本多は、東京の日比谷公園をはじめ、岡崎公園(愛知)、浜寺公園(大阪)、大濠公園(福岡)など、明治から昭和初期にかけて全国数百カ所の設計に携わった。その公園、森づくりは「100年先を見据えた」と評され、本多の手掛けた都市の公園は、現在も多くの人々に憩いと安らぎを与えている◆また、本多は蓄財家としても成功したが、財産の大半を社会事業に寄付した。生まれ故郷の埼玉県では、贈られた資金を基に奨学金制度がつくられ、60年以上を経た今も学生の就学を支え続けている◆公明党は今回の参院選を大勝利し、自公政権も引き続き確固たる政治基盤を与えられた。現在、日本は人口減少が進む中で、経済、福祉、外交・安全保障のあり方など、将来へ向けた多くの課題を抱えている。安定政権を志向した有権者の負託に応え、公明党は未来をじっくり見据え、確かな政治のかじ取りを期していきたい。(千)

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