e農業ボランティア活躍
- 2016.07.14
- 生活/生活情報
公明新聞:2016年7月14日(木)付
生活再建と農作業の両立支援
熊本地震では多くの農家も被災した。発災した4月中旬以降は稲や野菜の作付け・収穫時期と重なり、生活再建と農作業の両立に頭を悩ませている。熊本県西原村では、被災農家を支援するボランティアセンターが設置され、多くの人が農作業を手伝った。支援を受けた農家は「人手のかかる時期。遠くから手伝いに来てもらいありがたい」と歓迎している。
7月上旬、30度を超える炎天下で男女10人が藤田保生さん(66)のサトイモ畑で草むしりを始めた。「農業ってこんなに手間がかかると思わなかった」。午前9時から午後4時まで、3カ所の畑で汗を流した。
福岡県行橋市から訪れた会社員白上能央さん(43)は「一緒に作業するので被災者の顔が見え、やりがいも大きい。作業した畑はその後も気になりますね」と話す。
藤田さんは、「西原村農業復興ボランティアセンター」に派遣を8回依頼した。自宅は全壊し、妻と納屋脇のコンテナハウスで暮らしている。専業農家のため、作物による収入がなければ再建資金を賄えない。サトイモは収穫を諦めかけたが、ボランティアのおかげで収穫できた。「いい値で出荷できた。作物は成長を待ってくれず、人手がなければ廃棄しかなかった。本当に助かった」
センターを運営する河井昌猛さん(43)によると、農家から支援要請が相次いだことから、村や農協と協議。社会福祉協議会が運営する「災害ボランティアセンター」とは別の窓口を同じ仮設テント内に設け、担当者も別にした。5月上旬以降、フェイスブックで募集し、これまでに延べ約1900人が活動。大半がリピーターで、力仕事が難しい女性にも好評だ。二つのセンターは情報を共有、人が多く集まり過ぎた際は融通し合う。