e帰還後の生活再建へ
- 2016.07.25
- 生活/生活情報
公明新聞:2016年7月25日(月)付
除染、買い物支援を急げ
福島・南相馬市で住民懇談
太田議長、三浦氏ら
内堀県知事と意見交換も
東京電力福島第1原発事故で福島県南相馬市の一部に出されていた避難指示が12日に解除されたことを受け、公明党全国議員団会議の太田昭宏議長は23、24の両日、同市を訪れ、帰還後の生活再建に向けた課題などを精力的に調査した。これには、今回の参院選で初当選した三浦信祐・党青年局次長と真山祐一衆院議員らが同行した。
自治体として5例目となった今回の避難指示解除は、対象住民が1万人を超え、これまでで最大。同市小高区の居住制限および避難指示解除準備区域の全域と、原町区の一部が解除された。
23日に太田議長らは、小高区の川房地区や小高東町災害公営住宅のほか、道の駅「南相馬」などを訪れ、帰還住民らと相次いで懇談した。このうち、農地や森林が多く、このため放射線量が高い地域とされる川房地区では、佐藤定男・行政区長らが道路や農地、森林の除染が十分に進んでいない実態を挙げ、「除染を急ぎ、農地などを有効活用できる仕組みをつくってほしい」と訴えた。
また、小高東町災害公営住宅では、住民から「高齢者が安心して生活できるように、病院などの施設を整えてほしい」「スーパーやコンビニが近くになくて不便だ。若い人が戻れるための生活環境の整備を」などの声が上がった。
このほか一行は、福島再生への貢献にと東京都から進出した株式会社・菊池製作所の南相馬工場も訪問。菊池功社長から装着型の筋力補助器具「マッスルスーツ」などの説明を受けた。さらに、避難解除に合わせて今月12日に本格運用を始めた「県南相馬原子力災害対策センター」も視察。担当者らの案内で重大事故に対処する最新システムの説明を受けた。
一方、24日に太田議長らは、福島県庁で内堀雅雄県知事と会い、意見交換した。席上、内堀知事は、福島復興に向けて国と自治体が連携していくことの重要性を改めて確認。その上で「公明党が現場を大事にする姿を、震災後ずっと感じている」として、東北の観光振興や交通インフラの整備などについて意見を交わした。
2日間の視察を終えて、太田議長は、「帰還後の生活環境の整備は国を挙げて取り組んでいかなければならない問題だ。被災者の心の襞にまで徹底的に寄り添い、生活支援などに全力で取り組みたい」と語った。
視察には、甚野源次郎県代表、伊藤達也県議、志賀稔宗・南相馬市議、高橋利宗・相馬市議、伊藤昌夫・大熊町議らも同行した。