eコラム「北斗七星」

  • 2016.08.01
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年8月1日(月)付



この夏、首都圏で水不足が懸念されている。首都圏の水がめである利根川水系8ダムの貯水量が暖冬による雪不足などで平年の6割程度しかない上、梅雨明けで今後も厳しい状況が続きそうなためだ◆きょう8月1日は「水の日」。水資源の有限性や貴重さへの理解を深めることを目的に、2014年施行の水循環基本法で法定化された。この日から7日までの「水の週間」には、各地で多くの啓発行事が実施される◆その一つが国土交通省の呼び掛けで全国一斉に行われる「打ち水大作戦」。打ち水は周辺の気温を2度程度下げる効果があるといわれるが、行うときは水道水を直接使わないのが大作戦のルール。風呂の残り湯、雨水、エアコンの室外機にたまった水などを二次利用し、大切な水資源の有効利用を心掛けたい◆また、用具はペットボトルやポリバケツなど身の回りにある物を活用したり、ひしゃくも100円ショップで購入するなど、なるべくお金をかけないよう工夫したい◆「武士町や四角四面に水を蒔く」(小林一茶)。既に江戸時代には俳句に詠まれるほど、暑い夏に一服の"涼"をもたらす生活習慣として根付いていた打ち水。節水、省エネ効果だけでなく、地域で取り組めば近隣コミュニティーの醸成も期待できる。ぜひ実践したい夏の風物詩だ。(翼)

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