eコラム「北斗七星」
- 2016.08.17
- 情勢/社会
公明新聞:2016年8月15日(月)付
熱戦が続くリオ五輪。世紀の大舞台で日本選手が躍動している。初めてメダルを獲得する種目が出た。国別メダル獲得数も上位に付けている。4年後の東京五輪もが然、楽しみになってきた◆実は東京五輪。1964年に続いて2度目と思いきや、40年にも開催されることになっていた。施設整備も進められたが、戦争の色合いが濃くなってきたことを背景に日本は開催を辞退した。代わりにヘルシンキで行われることになったが、第2次世界大戦が勃発し、大会自体が幻の五輪となった◆"平和の祭典"五輪から、その後、日本は遠ざかる。44年は中止となり、48年には招待されなかった。再び日本が参加を果たしたのは52年のヘルシンキ大会。「前畑ガンバレ!」のベルリン大会から、この間16年のブランクができた◆国連事務総長は先月29日、リオ大会開幕を前に「五輪停戦」を呼び掛けた。五輪開催7日前からパラリンピック終了7日後まで、全世界での戦闘行為の停止を求めたものだ。五輪停戦は古代五輪がルーツ。ギリシャ語でエケケイリア、「手をつなぐ」という意味がある◆今大会には初めて難民選手団が参加した。なぜ彼らが自国から逃れざるを得なかったのか。きょうは、恒久平和を誓う終戦の日。共に手をつなぐ世界へ、思いをはせるところから始めたい。(広)