e開催6年目 復興へスポーツ交流
- 2016.08.17
- 情勢/社会
公明新聞:2016年8月15日(月)付
小学生ら延べ4600人参加
野球、サッカーなど 東京都が東北3県から招待
東日本大震災からの復興に向けて、東京都と東京都体育協会(公益財団法人)が2011年から取り組んでいる被災地支援のためのスポーツ交流事業が、今年で6年目を迎えた。同事業では夏休みに、岩手、宮城、福島の東北3県から少年少女スポーツ団体を都内各地に招待し、合同練習や交流試合、ホームステイなどを通して、東京の子どもたちと絆を深めている。都内墨田区には今月5~7日の三日間、福島県郡山市の小学生球児16人が訪れ、同区の少年野球チームと交流した。
6日午後、炎天下の錦糸公園野球場(墨田区)で球児たちが熱戦を繰り広げていた。福島県から遠征に来た「郡山アスレチックススポーツ少年団」と「三穂田野球スポーツ少年団」の合同チームに対するは、「墨田区本向少年野球リーグ」の選抜チーム。最終回の5回表を終わり、5対1と先攻の墨田選抜がリード。本向リーグの顧問として交流を全面的に支える公明党の加藤雅之都議も、固唾を飲んで展開を見守る。
5回裏、二死ランナーなしと追い込まれてから福島チームの反撃が始まった。星歩夢君がヒットで出塁し、小出啓人君が二塁打で続く。迎えるバッターは、キャプテンの江花優君。「一発、頼むぞ!」との声援に応え、ランニングホームランを放った。主将の一打で1点差に詰め寄るも、後続が倒れてゲームセット。整列して向き合った両チームの選手たちの表情は晴れ晴れとしていた。試合後、「東京の選手と絆が深められて良かった」と語る江花君に、墨田選抜の篠田隆成君は「福島のチームは気迫がすごかった」と笑顔で返していた。
スポーツ交流事業は11年の8月、東日本大震災の影響で満足にスポーツができる環境を失った被災地の子どもたちを支援することを目的に始まった。初年度は軟式野球とサッカーの2種目で交流が行われ、宮城県石巻市や岩手県釜石市などから選手たちを東京に招待し、八王子市と台東区、墨田区の3地域で歓迎。その後、バレーボールとゲートボールも種目に含まれ、都内の参加地域は葛飾区や港区、板橋区、東大和市などにも拡大。6年目となり、これまでの参加者は、延べ4673人に上った。
公明、一貫してサポート
都議会公明党(長橋桂一幹事長)は、このスポーツ交流を一貫して支援してきた。11年6月の定例会で谷村孝彦議員が、学校の校庭や体育館が避難所として利用されている被災地の実情を訴え、「子どもたちを東京に招待し、スポーツに接する機会を提供するべきだ」と提案。事業開始後は、各地で公明議員が企画や運営に携わってきた。今回、墨田区の交流では、福島のチームの要請により国会見学も。加藤議員が仲介し、若松謙維復興副大臣(当時)が参議院で出迎えた。
試合の日、加藤議員は「東北と東京の子どもたちに絆や友情が芽生え、復興への息吹を感じる。これからも支えていきたい」と語った。