e小・中学でアレルギー対応食
- 2016.08.17
- 生活/生活情報
公明新聞:2016年8月16日(火)付
10月から103校の給食に提供
専用調理室備えた新センター完成
仙台市
仙台市は10月から、給食センターを利用する全ての小・中学校(103校)でアレルギー対応食の提供を開始する。これは同市青葉区に7月、アレルギー対応食専用の調理室を備えた「南吉成学校給食センター」が完成し可能になった。
市教育委員会は、アレルギー対応食を必要とする児童、生徒の数を約100人と見込んでおり、全員に"安全な食"を提供できるようになる。
これまで、同市にある6カ所の給食センターの中で、アレルギー対応の調理機能を持つのは高砂(宮城野区)と野村(泉区)の2施設のみだった。そのため市内全域をカバーできず、給食センターを利用する学校の約半数にアレルギー対応食が届いていない状況だった。
南吉成の新センターは、老朽化で廃止される加茂(泉区)、宮城(青葉区)の2施設の代替として整備され、8月末から稼働する。10月には全対象校にアレルギー対応食を提供する体制が整う予定で、3施設の調理能力は一日に約400食になる。
学校給食のアレルギー対応について、公明党仙台市議団(菊地昭一団長)は、2000年から議会で、その必要性や給食センターの充実を訴え続けてきた。さらに食物アレルギーの子どもを持つ親などでつくる市民グループ「あっぷるんるんくらぶ」(三田久美代表)の活動を支援。同グループは学校給食の食物アレルギー対策の強化を求めて活動している。同市議団が橋渡し役となって、当時の坂口力厚生労働相(公明党)につなげるなど、一貫して支援してきた。
このほど同市議団は、完成した南吉成学校給食センターを視察。一般の給食の調理工程と混ざらないよう、厳重に分けられたアレルギー専用の調理室などを丹念に見て回り、安全性などを確認した。
視察を終え、菊地団長らは「全ての子どもが安心して過ごせる環境づくりが進んだことは、本当に喜ばしい。事故のない運用をお願いしたい」と話していた。
環境が整ったことに大変感謝
市民グループ「あっぷるんるんくらぶ」 三田久美代表
みんなと一緒に楽しい給食の時間を過ごしたい――。
食物アレルギーを持つ子どもたちの願いです。彼らの親は日々、市販のアレルギー対応食品などを使って懸命にお弁当を作っています。
私はその実情を行政に伝え、一刻も早い対策を求めてきました。超党派の議員の皆さんに力を借りる中、特に熱心に取り組んでくださったのは公明党の議員さんです。子どもたちが、学校関係者をはじめ大人の無理解や偏見に悩まされてきた歴史がありますから、このような環境が整ったことに大変感謝しています。
これからも、学校に関わる全ての人がアレルギーへの理解を深める社会づくりを進めていってほしいと思います。