e急病など不安解消に#7119

  • 2016.08.17
  • 生活/生活情報

公明新聞:2016年8月17日(水)付



大人の救急電話相談
福岡県



福岡県は6月から、大人を対象とした救急電話相談事業をスタートさせ、話題を呼んでいる。県によると、都道府県レベルで実施している例は少なく、九州では初の試み。同事業を推進してきた公明党県議団(森下博司団長)は先ごろ、県救急医療情報センター(福岡市博多区)を訪れ、県の担当者から事業内容や実施状況について話を聞くとともに、センター内を視察した。


年中無休、24時間受け付け

同事業は、急な病気やけがをした際、「救急車を呼ぶべきか」「早めの受診が必要か」といった判断や、適切な対処方法について電話で相談できるもの。全国で導入されている小児救急電話相談事業(#8000)の「大人版」として、県民の緊急時の不安を軽減させるとともに、安心して適切な医療を受けられるようサポートする。

受付は年中無休・24時間体制で、「#7119」(ダイヤル回線の場合は092.471.0099)に電話すると音声案内が流れる。「1」を選択すると、受診可能な医療機関の案内につながり、「2」だと救急電話相談が利用できる。

相談員は通常2人体制(曜日・時間帯に応じて6人まで増員)で、救急業務などを経験している看護師が応対する。判断に迷う場合は、看護師がオンコール(連絡すれば直ちに応対する制度)で医師に助言を求められる体制も敷いている。


開始1カ月で2497件 医療の適正な利用促進

「#7119」の利用開始から1カ月間(6月30日~7月31日)の相談件数は2497件で、内訳は「119番通報を推奨」が705件(28.2%)、「2時間以内の受診を推奨」が737件(29.5%)と、緊急度の高いケースが約6割を占めていた。一方で、家庭での経過観察や応急手当ての指導など緊急度の低いケースは約3割で、相談対象外(常備薬の使用期限の問い合わせなど)のケースが約1割だった。

県医療指導課の刈茅初支課長は、県内の救急車の年間出動件数が23万8933件、年間搬送人員数は21万9364人(共に2014年)で、このうち搬送者の35%が軽症だったと説明。その上で、「緊急性のない患者が救急病院に集中したり救急車を利用することが減れば、救急医の負担軽減や救急車の適正な利用推進につながる」として、「#7119」の広報活動に努めていくと語っていた。


九州初、公明が一貫して推進

視察後、森下団長は「高齢社会を迎え、救急電話相談の利用頻度は一層高まると思う。県民の病気やけがに対する不安解消のためにも、『#7119』の周知徹底に取り組んでいきたい」と決意していた。

同事業については、森下団長が11年6月定例議会で、高齢者をはじめ大人が利用できる救急電話相談事業の新設を提案。その後も、党県議団として議会質問や予算要望を通じて訴えるなど、一貫して推進してきた。

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