eコラム「北斗七星」

  • 2016.08.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年8月19日(金)付



高校時代の友人たちと旧交を温める機会があった。若き日を共に謳歌した仲間たちも、すでに50代後半。「最近、とっさに人の名前が出てこない」「鍵や財布をうっかりどこかに置いて、探すことが多い」などと、物忘れを嘆く声が相次いだ。「これは認知症の始まりなのか」と不安も頭をかすめる◆そこで、医師をしている別の友人に尋ねたら、それは加齢に伴う物忘れで、誰でも仕方ないことだという。一般的な物忘れと認知症は別物で、「きのう夕飯に何を食べたか思い出せないのは普通の物忘れ」だが、「食べた直後なのに、食事をしたこと自体を思い出せないのが認知症の症状だ」と説明され、ひと安心した◆しかし将来、認知症にならないという保証はどこにもない。認知症を防ぐには、生活習慣の改善が大事だといわれる。食べ過ぎや運動不足をなくし、十分な睡眠をとることが、リスク低下につながる◆最近では、脳を若く保つトレーニング法も多く紹介されている。本紙で「健脳エクササイズ」を連載している長野茂さんによれば、例えば"その場歩き"をしながら同時に単純計算をしたり、文章を"音読"することも脳の活性化に効果があるそうだ◆認知症予防は、一人一人の努力が大切。今からでも遅くはない。自分もトレーニングを始めようと思う。(千)

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