e若者と政治 ニーズを掘り起こす作業、常に
- 2016.08.22
- 情勢/解説
公明新聞:2016年8月20日(土)付
選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた7月の参院選では、新たに有権者となった多くの若者が初めての投票に臨んだ。未来を担う世代が1票に込めた期待に対し、今後、政治の側が答えを示さなければならない。
読売新聞が18、19歳を対象に実施した世論調査(8月13日付)によると、参院選の投票に「行った」と答えた人のうち、政治への関心が「高まった」、政治が「身近になった」人がそれぞれ7割を超えた。自ら1票を投じることで、政治に対する意識が変わった点を大事にしたい。
参院選で重視した争点については、「景気や雇用」が52%と5割を超え、「医療や年金など社会保障」(34%)、「憲法改正」(26%)などが続いた。非正規雇用や長時間労働など就労環境の改善に対する期待の高さがうかがえる。
同一労働同一賃金の実現や最低賃金の引き上げなど、政治が具体策を一つ一つ実現することで、1票に込められた思いに応えていく必要がある。
その上で、政党・政治家に求められる姿勢は、マスコミの世論調査などを待つことなく、若者の政治に対するニーズを積極的に掘り起こす作業を不断に続けることではないだろうか。
公明党は今年1月から5月にかけ、青年委員会を中心に若者向け政策アンケート「ボイス・アクション」を各地で展開し、大きな反響を呼んだ。雇用問題や子育て、新婚・婚活支援、携帯電話料金の引き下げなど、若者ならではの悩みや要望に直接触れることができた。選挙戦で掲げた公約をまずしっかり実現することを肝に銘じたい。
井上義久幹事長は、今月5日の全国県代表協議会で青年層との連携を強化する方針を打ち出したことについて、「例えば『地域版ボイス・アクション』を実施するなど、積極的に若者に関わっていきたい」と語っている。
各地の党組織の中には、青年街頭演説を増やしたり、若手の教育者や介護職など職業別の懇談会を行うなど、若者との交流に積極的に取り組んでいる地域もある。政治への若者の関心をさらに育てるため、具体的に何ができるか、議論を深めていきたい。