eコラム「北斗七星」

  • 2016.08.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年8月26日(金)付



9月1日「防災の日」を前にした台風被害。"災害大国"として備える重要性を改めて痛感するが、11月5日には、昨年12月の国連総会で採択された「世界津波の日」を初めて迎える。南海トラフ地震で最大34.4メートルの津波が想定される高知県黒潮町では11月下旬、啓発イベントの高校生サミットが開かれる◆1854年の旧暦11月5日に、安政南海地震が起きた。今の和歌山県広川町には、稲わらに付けられた火を目印に人々が高台に避難した「稲むらの火」の逸話がある。「世界津波の日」は、この日を「津波防災の日」と定めた日本の提案により、国連の共通記念日となった◆サミットには、海外29カ国と国内の35校から合計約420人が参加予定。「自然災害から生き抜くために、次世代の私たちができること」をテーマに、東日本大震災やスマトラ沖地震の報告、講演や討議を通して、地震と津波の脅威を世界に発信する◆石井啓一国交相(公明党)は、昨年11月に国連本部で行われた防災対策のスピーチで、「日本に蓄積された知見と経験を世界で共有することで、世界の災害による被害の軽減、持続可能な開発の達成に貢献したい」と◆その具体的な取り組みを日本から世界に広げ、次世代につなぐ高校生たちが集う意義は極めて大きい。サミットの成功を切に願う。(祐)

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