e車両貸し切り「都電落語会」

  • 2016.08.30
  • 生活/生活情報

公明新聞:2016年8月30日(火)付



2周年記念し感謝祭開く
電車に揺られ寄席を堪能
東京・荒川区



チンチン電車に揺られながら寄席を堪能できる「都電落語会」が22日、開始から2年を迎えた。都民の足として親しまれる都電荒川線と、伝統芸能の江戸落語が融合した同イベントは、一般社団法人・林家こん平事務所(笠井咲代表理事)が開催し、東京の新たな観光名物として注目を集めている。同事務所と荒川区はこの日、「二周年感謝祭」を区内で開き、難病の多発性硬化症と闘う落語家の林家こん平さんらが出演。開催を後押しした公明党荒川総支部(鈴木貫太郎総支部長=都議)の議員らも駆け付けた。


林家こん平さんらの芸に"笑みの花"


感謝祭は、こん平さんの娘である笠井代表理事の司会進行で始まった。西川太一郎区長のあいさつに続き、祝辞の中で鈴木都議は都電荒川線の歴史を紹介。「廃業の危機にひんした時代、下町のシンボルを守ろうとの人々の熱意によって存続した」と、街の財産としての意義を強調した。また、小池百合子都知事からは「(この落語会は)2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、東京の観光振興にも大きな力を発揮するものと期待します」との祝電が届いた。

その後、ゲスト出演した落語家の三遊亭好楽さんらによるトークショーが行われ、最終盤で、こん平さんが舞台に登場。持ちネタの「1、2、3、チャラーン」を皆で唱和し、会場の盛り上がりは最高潮に達した。

都電落語会は14年8月22日、都電に揺られて江戸落語を味わう"移動型寄席"としてスタートした。荒川線の三ノ輪橋(荒川区)と大塚駅前(豊島区)を起点にした片道50分のコースで、月1回のペースで開催。毎回、こん平さんも乗車し観客を出迎えている。

車両には、歌舞伎に使われる3色の定式幕をイメージした塗装が施され、車内には安全バーが着いた専用の「高座」が設けられている。この高座には、テレビ番組「笑点」でおなじみの三遊亭小遊三さんなどの名だたる噺家たちが上がった。メディア出演やオリジナル塗装の車両が話題を呼び、2年間で2000人以上が落語会に参加している。


公明、イベント開催を後押し


「父にとっての希望と、ふるさとへの感謝を形にしたかった」。笠井代表理事は、都電落語会に込める思いをそう語る。

11年前、突然の病に倒れた父、こん平さん。厳しいリハビリに励みながら、"笑い"が持つ力を信じて奮闘する父に、「落語家としての舞台を提供したい。さらには伝統芸能の継承と地域の活性化を」と願って、親子二人三脚で始めた落語会だった。親子を家族や林家一門の噺家たちが力強く支えた。また、都交通局など行政の協力については「公明党議員の力添えに感謝している」という。今回のイベント開催を党荒川総支部が応援したほか、昨年9月の都議会定例会で高倉良生都議が都電落語会の取り組みを紹介し、「都電の魅力をより一層アピールする契機にすべきだ」と訴えた。

感謝祭を終えて、笠井代表理事は「これからも都電落語会を多くの方々にご堪能いただき、父を筆頭に、街に"笑みの花"を咲かせたい」と、親子の夢を乗せて走る移動型寄席の展望を語った。

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